
2m4Ocm四方の大画面に、鮮やかな黄色のネクタリンが4個、描かれているのが、まず眼に入る。だが注意深く見ると、そのネクタリンの上に君臨するように、真っ黒な楕円形の形象が置かれているのが見えてくる。これが、「卵」である。艶のないタールの黒い塊で表されたそれは、画面の中央に切り抜かれた深い空虚な穴のようにも見える。この絵画においては、このように色と形の前後や上下の位置関係は、暖味なままに投げ出されている。一方、果物の現実の大きさと比べて法外なスケール感は、描写としてのリアリティを喪失させてしまう。最初、果物を描いた「静物画」と思われたものが、ひじょうに抽象的な画面にも見えてくるのである。ドナルド・サルタンは、新聞から取った事件の写真、過去の名画(マネなど)、静物を写したポラロイド写真などをモティーフに、ハードボード、リノリウム・タイル、タールなどの工業素材を用いる全く独自の技法によって、類のない絵画を作りだした。それは、(例えば「静物画」といったような)絵画の伝統を取り上げながらその解体をも体現するものであり、1980年代のアメリカ絵画の成果の一つに数えられる。(Y.M.)rn
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 4 個のネクタリンと卵
- 作者名
- ドナルド・サルタン
- 制作年
- 1986
- 分類
- 絵画
- 材質・技法
- 油彩、タール/ビニールタイル、メゾナイト
- 寸法
- 249.5×247cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1992
- 作品/資料番号
- 1992-00-0047-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/3972/
東京都現代美術館のその他の収蔵品 (7877)

『版画12ヶ月』9月 秋立
鈴木 賢二
東京都現代美術館
![作品画像:赤坂御所[『新東京百景』より]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/19810.jpg)
赤坂御所[『新東京百景』より]
平塚 運一
東京都現代美術館
![作品画像:[斎藤義重作品写真集:ファイル 9] 10/45](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/11974.jpg)
[斎藤義重作品写真集:ファイル 9] 10/45
斎藤 義重
東京都現代美術館

朝
奈良岡 正夫
東京都現代美術館
![作品画像:七つのリトグラフ 2[『七つのリトグラフ』より]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/18211.jpg)
七つのリトグラフ 2[『七つのリトグラフ』より]
池田 満寿夫
東京都現代美術館
![作品画像:稲妻[『ウェザー・シリーズ』より]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/15388.jpg)
稲妻[『ウェザー・シリーズ』より]
デイヴィッド・ホックニー
東京都現代美術館

清風
進藤 武松
東京都現代美術館

[福島秀子関係資料一括]
福島 秀子
東京都現代美術館
![作品画像:[斎藤義重作品写真集:ファイル 1] 92/127](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/11672.jpg)
[斎藤義重作品写真集:ファイル 1] 92/127
斎藤 義重
東京都現代美術館

1970年代美術記録写真集 「菅木志雄 1982年11月2日 多摩美術大学 八王子」
安齊 重男
東京都現代美術館

夏
牧野 虎雄
東京都現代美術館
![作品画像:[斎藤義重作品写真集:ファイル 3] 20/53](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/11727.jpg)
[斎藤義重作品写真集:ファイル 3] 20/53
斎藤 義重
東京都現代美術館

1970年代美術記録写真集 「吉田克朗 1976年12月13日 かねこ・あーとギャラリー」
安齊 重男
東京都現代美術館
![作品画像:[斎藤義重作品写真集:ファイル 3] 6/53](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/11713.jpg)
[斎藤義重作品写真集:ファイル 3] 6/53
斎藤 義重
東京都現代美術館

松澤宥記録写真集 1971 ソンスビーク
松澤 宥
東京都現代美術館

WORK-76-1
斎藤 智
東京都現代美術館