
大正末期から昭和初期にかけて、「モダン」の名で流行したデザイン様式は、現在「日本のアール・デコ」と呼ばれている。
アール・デコとは、1920年代から30年代にかけて欧米諸国で盛んになった装飾様式。ピカソが提唱したキュビスムや、機械文明を礼賛する未来派など、20世紀初頭の革新的芸術を源泉とし、左右相称、明快な色彩対比など簡潔な形態を特徴とする。近代都市化や消費社会が台頭する20世紀が求めた様式で、1925年にパリで開催された博覧会の、仏文名称の一部「アール・デコラティブ」を語源とする。
アール・デコは、ほぼリアルタイムで日本にも伝わり、関東大震災(かんとうだいしんさい)後の復興期にあった東京を席捲(せっけん)していった。
ただし、影響を一方的に受けたのではなく、日本の伝統技術の「漆」も、アール・デコの魅力の一翼(いちよく)を担っていた。漆は、英語で「japan」と呼ばれ、同博覧会ではフランス人工芸家が、すべて漆のインテリアを発表し評判になった。
江戸東京博物館でも和風アール・デコの資料を数多く所蔵しており、写真の喫煙具セットもその1つだ。1点は、卓上喫煙具セット。日本伝統の漆塗りと竹細工に、アール・デコ風のバラの花が銀細工で施されている。
もう1点は、アール・デコを直輸入したような一体型金属製喫煙具セット。箱を閉じれば置物にもなるという、装飾美と機能を併せ持つ逸品である。
- 所蔵館
- 江戸東京博物館
- 資料名
- 煙草セット
- 資料番号
- 89000458
- 大分類
- 生活民俗
- 小分類
- 衣食住
- 種別
- 嗜好
- 年代
- 近代 * 20世紀
- 員数
- 1揃
- 資料群/コレクション名
- 福本邸関係資料
- 江戸博デジタルアーカイブズ
- https://www.edohakuarchives.jp/detail-16878.html
江戸東京博物館のその他の収蔵品 (115555)

藁製提篭(テンキ)
江戸東京博物館

土地区画整理詳細色別東京市復興計画参千分壱大地図 大島
内山道郎/著
江戸東京博物館

教育千代田大奥きせかへ
一光/画
江戸東京博物館

書簡(親鸞聖人650回大遠忌の助力依頼状)
村松長太郎、村松与三郎
江戸東京博物館

日記
江戸東京博物館

昭和十六年四月 恒例団菊祭延長興行 昼夜二部制
[歌舞伎座]
江戸東京博物館

絵封筒一括
歌川広重/画
江戸東京博物館

コマゲタ
江戸東京博物館

菊慈童蒔絵印籠
江戸東京博物館

結城素明画 大礼記念(五節舞之図)
江戸東京博物館

浅草スライド 地下鉄工事中吾妻橋
小林源次郎/撮影
江戸東京博物館

木造上杉重房坐像
永江維章/編輯
江戸東京博物館

墨版 団扇と朝顔
柴田是真/画
江戸東京博物館

観世流改訂謡本 内十八 安宅
丸岡桂/訂正
江戸東京博物館

大小暦
葛飾北斎/画
江戸東京博物館

竹製旅行カバン
江戸東京博物館