水面に白い姿を映し出し、表情を様々に変える白い円形一彫刻は幾何学的な形態をもちながら、その曲線や傾きに自然界との密接な関係を漂わせ、軽やかな動きを秘めている。植物や貝殻など自然界の構造を幾何学的形態に収斂させ、動きを彫刻に取り込むマルタ・パンの作品は、水に浮かぶ彫刻として知られ、日本国内にも数多く設置されている(箱根・彫刻の森美術館など)。彼女の作品では水が重要なファクターとして働いている。水は、自然の形態、そして動きに結びつく要素であり、さらに、水に浮かべることによって、彫刻とそれが置かれる環境との相互的な呼応(風景としての彫刻)が必然的に問われることとなる。そこに、この作者の仕事が都市計画的なスケールへと発展していく必然性が見出される。作者自身、生涯で最も美しい展示のひとつと語ったこの作品のセッティングは、周囲の環境に及ぼす力も含めて、彼女の彫刻の魅力を余すところなく伝えるものであろう。(Y.W.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 裂けた球体 [Sphère fendue]
- 作者名
- マルタ・パン
- 制作年
- 1984
- 分類
- 彫刻・インスタレーションほか
- 材質・技法
- ポリエステル
- 寸法
- 220×220×124cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1996
- 作品/資料番号
- 1996-00-0004-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/4294/
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