「空気の建築」とは、作者のクラインが1958年から建築家と共同で構想した「非物質的な都市」の計画である。計画といっても荒唐無稽なもので数度の講演で説明されたほかはこの作品を含むいくつかのカンヴァスにそのヴィジョンを定着するにとどまった。ここには計画によって招来される世界像が木炭による書き込みと青一色の「人体測定プリント」をもって描きだされている。画面右上の体を反らしたシルエットの下には「自由な人間は空中を浮遊することができる」とあり、その下には山を背景に楽園が広がっている。建築は空気を調整することによって成り立ち、従来の建築にあった物質の障害は取り除かれているという。クラインのほかの活動同様、この計画にも神秘主義の影響を指摘できる。しかし、ユートピアの系譜においてもとりわけラディカルなこのヴィジョンには近代生活における個人主義への批判もこめられている。(C.H.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 空気の建築 ANT-102 [Architecture de l’air ANT-102]
- 作者名
- イヴ・クライン
- 制作年
- 1961
- 分類
- 絵画
- 材質・技法
- 青色顔料、合成樹脂、木炭/紙、カンヴァス
- 寸法
- 263×214cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1992
- 作品/資料番号
- 1992-00-0042-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/3967/