「私の前に風景はなく、静物しかなかった」。戦後の廃墟のなかで着手したモランディ風の静物画は、深く沈潜するオリーブグリーンに覆われていた。しかし、静物画に付された無機質な番号による題名《Still life no. 》からも推察されるように、画家の関心は描く対象そのものにはなく、1950年代の後半には抽象絵画の制作へと向かう。
60年代初頭のストライプの繰り返しによる作品は、一気にひいた絵具が滴り、色同士が混じり合うものだったが、60年代後半になると本作のように2色に限定されたストライプは明度差が接近し、絵筆の跡のない均質な画面に移行する。その後ストライプに替わってグリッドが作品構成の基本となるが、画面の単一な拡がりを求める姿勢に変わりはない。ただ時期によってその表面は、均質な仕上げと画家の呼吸を伝えるものとの間で、振り子のように、揺らぎを見せるのだ。(N.S.)
- 所蔵館
 - 東京都現代美術館
 - 作品/資料名
 - Work C – 400
 - 作者名
 - 山田 正亮
 - 制作年
 - 1969
 - 分類
 - 絵画
 - 材質・技法
 - 油彩/カンヴァス
 - 寸法
 - 162×112cm
 - 受入区分
 - 購入
 - 受入年度
 - 1990
 - 作品/資料番号
 - 1990-00-0007-000
 - 東京都現代美術館コレクション検索
 - https://mot-collection-search.jp/shiryo/3827/
 
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