
造形的価値のみを追求するモダニズム彫刻への反省から、イギリスでは1970年代末から80年代前半にかけて、主題を有し、何かしらのイメージを湛えた新しい彫刻が現れてくる。いわゆる〈ニュー・スカルプチュア〉であり、トニー・クラッグはその代表的な作家である。クラッグは最初科学を志すが、やがてミニマル・アートやコンセプチュアル・アートの影響下に作家として出発。70年代末からは、拾い集めた色鮮やかなプラスティックのゴミを床や壁面に配列し、人物、飛行機、潜水艦、容器など、具象的なイメージをかたどった作品を発表するようになる。この作品は、作者が1982年に「今日のイギリス美術」展(東京都美術館他で開催)のために来日した際に、東京のゴミを採集、制作したもので、東京からドイツの自宅に国際電話を掛ける作者自身を表している。大量消費文明がもたらすプラスティックのゴミをも、現代の都市生活者にとっての新たな自然と見なす皮肉な視点がここにある。(J.S.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 東京 — ヴッパータール
- 作者名
- トニー・クラッグ
- 制作年
- 1982
- 分類
- 彫刻・インスタレーションほか
- 材質・技法
- 電話機、プラスチックほか
- 寸法
- 162×100×30cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1982
- 作品/資料番号
- 1975-00-4200-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/1454/
東京都現代美術館のその他の収蔵品 (8084)
![作品画像:京町堀川[『大阪風景』より]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2025/01/18148-1024x681.jpg)
京町堀川[『大阪風景』より]
織田 一磨
東京都現代美術館

1970年代美術記録写真集 「小清水漸 1981年10月5日 村松画廊」
安齊 重男
東京都現代美術館

15kg
丸山 直文
東京都現代美術館

地下道の眠り
佐藤 照雄
東京都現代美術館

1970年代美術記録写真集 「遠藤利克 1981年11月25日 神奈川県民ホールギャラリー」
安齊 重男
東京都現代美術館

アンソニー・カロ《シー・ミュージック》1991
安齊 重男
東京都現代美術館

奴隷系図(貨幣による)
菊畑 茂久馬
東京都現代美術館

63 – B
オノサト トシノブ
東京都現代美術館

Cut off plan (the splint)
吉田 克朗
東京都現代美術館
![作品画像:[闘う日鋼室蘭の労働者]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2025/06/19365.jpg)
[闘う日鋼室蘭の労働者]
新海 覚雄
東京都現代美術館
![作品画像:[斎藤義重作品写真集:ファイル 8] 1/30](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/11935.jpg)
[斎藤義重作品写真集:ファイル 8] 1/30
斎藤 義重
東京都現代美術館

ゴミ男
大竹 伸朗
東京都現代美術館

ロンドン 7 (Kensington)
吉田 克朗
東京都現代美術館
![作品画像:[斎藤義重作品写真集:ファイル 6] 32/41](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/11883.jpg)
[斎藤義重作品写真集:ファイル 6] 32/41
斎藤 義重
東京都現代美術館

1970年代美術記録写真集 「真板雅文 1976年2月24日 京都」
安齊 重男
東京都現代美術館

実際には:盲目の意志 Ⅱ
荒川 修作
東京都現代美術館