
工藤哲巳は読売アンデパンダン展などで既成概念に異議を申し立てる「反芸術」的作品を発表していたが、1962年に渡仏、晩年に帰国するまでパリを中心に活動した作家である。既存の素材を取り込むアッサンブラージュの手法を採り続けたが、それは、渡仏以前から常に一貫していた、彼の社会や常識に疑義を抱き続け、異議を申し立てる姿勢と不可分といえよう。工藤は自分の作品を「一つのコミュニケーションのための材料」と定義づけており、その背後には我々が核の時代に生きていることに対する強い自覚、人間解体やエコロジーの観点をもった独自の思想がある。紐の結び目が増殖していくこの作品では、「連鎖反応」という核物理学用語が引用されたタイトルが示すように、生命体の放射能による人工的な増殖――性によらない増殖がイメージされている。タワシや紐という卑近な素材を用いながら、有機的な複合体を思わせる最初期のこの作品にも、既に工藤の独特な世界観と思想が現れているといえよう。(Y.W.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- X型基本体に於ける増殖性連鎖反応
- 作者名
- 工藤 哲巳
- 制作年
- 1960
- 分類
- 彫刻・インスタレーションほか
- 材質・技法
- 紐、鉄、ビニールチューブ、タワシ
- 寸法
- 73×82×65cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1983
- 作品/資料番号
- 1975-00-4045-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/1281/
東京都現代美術館のその他の収蔵品 (8084)

葱の花
牧野 虎雄
東京都現代美術館

作品
宮脇 愛子
東京都現代美術館

波の収穫
潘逸舟
東京都現代美術館

Constellation #18
鈴木ヒラク
東京都現代美術館

A LA MAISON DE M.CIVEÇAWA(ガルメラ商会)
横尾 忠則
東京都現代美術館

1970年代美術記録写真集 「高木修 1974年4月13日 村松画廊」
安齊 重男
東京都現代美術館

季韻の柵
棟方 志功
東京都現代美術館
](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/13180.jpg)
[小清水漸作品写真集 2](7/74)
小清水 漸
東京都現代美術館

二人少年像
松本 竣介
東京都現代美術館

怯える人々
浜田 知明
東京都現代美術館

w1051×h902×d40
荻野 僚介
東京都現代美術館

母
鈴木 賢二
東京都現代美術館
](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/13186.jpg)
[小清水漸作品写真集 2](13/74)
小清水 漸
東京都現代美術館
![作品画像:[ベン・パターソン記録写真 12]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/7219.jpg)
[ベン・パターソン記録写真 12]
安齊 重男
東京都現代美術館

松澤宥記録写真集 1984 東京都美術館1/10
松澤 宥
東京都現代美術館
![作品画像:[斎藤義重作品写真集:ファイル 1] 14/127](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/11592.jpg)
[斎藤義重作品写真集:ファイル 1] 14/127
斎藤 義重
東京都現代美術館