草間彌生の作品は、網の目や水玉などーつの形態の執拗な反復がその特徴となっている。1957年に渡米し、細かな網目が大画面を覆う作品や、男根様の布製突起に覆われた家具、1960年代後半に盛んに展開したハプニングなどにより、当地で注目される存在となった。布製の突起物を日常品に付けたり、箱の中に詰める表現は草間の立体の典型的な作風であるが、その突起の集積は、この作品にも見て取れるように、単なる形態の反復というよりは、むしろ有機的な増殖を感じさせる。銀一色に塗られた突起に覆われた舟の上には、同じ銀色の葡萄やパイナップルなどの果物が載っている――エロスの臭いが漂う「死の海を行く」舟。草間は自らに迫り来る脅迫観念を描き出し、作ることによってそれを乗り越えて来たという。ここにあるのは、性と死のオブセッションだろうか。ここには、ニューヨークの様々な作家と親交し、刺激を与え合いながら、常に自らの内面世界にその制作の源泉を求め続けた草間の力強く、個性的な世界が現れている。(Y.W.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 死の海を行く
- 作者名
- 草間 彌生
- 制作年
- 1981
- 分類
- 彫刻・インスタレーションほか
- 材質・技法
- ミクストメディア
- 寸法
- 58×158×256cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1983
- 作品/資料番号
- 1975-00-4044-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/1280/
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