
日本的フォーヴィスムが主流であった昭和前半期の美術界において、麻生三郎は近代絵画の持つ色彩主義に背を向け、独特の明暗処理法と量感表現により人間の内的心情の表出を試みた画家である。本作品は麻生が敗戦以後に取り組んだ母子像のシリーズのひとつであるが、幾重にも塗り重ねられた暗色のマテイエールの中から浮かび上がる母子の姿は、戦後の混乱と窮乏のもとで生きなければならない庶民の不安感を漂わせている。このような印象は、明暗法の原則に反して背景と対象の明暗のコントラストを弱め、線を用いず面により量感を表す彼独特の手法によるものである。1960年代以降、麻生はこの画風をしりぞけ、デフォルメされた人間像や肉塊などが、晦渋なマテイエールの背景と等価値に描かれた抽象的な画面構成を展開した。
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 母子
- 作者名
- 麻生 三郎
- 制作年
- 1948
- 分類
- 絵画
- 材質・技法
- 油彩/カンヴァス
- 寸法
- 91×60.5cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1979
- 作品/資料番号
- 1975-00-0014-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/14/
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