堂々たる店構えに驚かされるこの作品は、現在の東京の銀座にあった呉服商、恵美須屋を描いたもの。三井越後屋と並ぶ、呉服屋の大店として知られていた。
店先には、店名が書かれた大暖簾(のれん)が下がる。また、大きな丸の中いっぱいに、笑顔のえびすさまと鯛が描かれているのも楽しい。屋根に出された看板には「呉服物安売」の文字が見える。随所に、今も昔も変わらない、客の注目を集めたい商店の工夫が感じられる。
さらに目を凝らすと、店内も詳しく描かれていることがわかる。品物を見る客、客に出すお茶を支度する店員、そして買った物を風呂敷に包んで店を出る客に、腰をかがめて挨拶する店員。当時広まりつつあった、店頭での現金販売の様子がわかって面白い。
江戸時代の浮世絵には、肉筆画にも、版画にも、この作品のように大店の店先を描いたものが結構ある。それらは、現在の私たちが江戸の生活を知る上で貴重な史料となるが、実際には、描かれた大店が自分たちの満足のためか、あるいは宣伝のために制作を依頼したものであろう。
- 所蔵館
- 江戸東京博物館
- 資料名
- 恵美須屋見世先図
- 資料番号
- 87201319
- 大分類
- 絵画
- 小分類
- 日本画
- 種別
- 軸
- 作者(文書は差出人)
- 鳥居清長/画
- 年代
- 江戸後期 寛政初期 1789 18世紀
- 員数
- 1幅
- 法量
- 45.8cm x 61.8cm
- 江戸博デジタルアーカイブズ
- https://www.edohakuarchives.jp/detail-2682.html
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