正月の代表的な遊びである絵双六の起源は、室町時代に仏教の世界観を描いた浄土双六だと言われている。広く普及したのは江戸時代で、旅程や芝居・役者、人の一生をテーマにしたものなど、多種多様の絵双六が作られた。
本資料もその一つで、1858年(安政5年)に発行された甲冑(当世具足)の着用手順を表したものである。最初は褌(ふんどし)から始まり、鎧を着装し、刀や鉄砲などの武具を身に付け、最後は大将で勝軍(かちいくさ)となり、上がりとなる。
江戸時代は、世界史的にも珍しい泰平の世として知られる。武士たちは、甲冑を着る機会が極端に減り、甲冑は権威の象徴として実戦にはほど遠い装飾性に富んだものが作られた。時代が下るにつれ、沿岸防備などにより甲冑を着る機会が増えると、不慣れな武士たちは悪戦苦闘したようだ。
本資料でも、着慣れていない武士の様子が見られる。つまり本双六は、甲冑の装着手順を面白おかしく描いているだけではなく、武士の嗜みとされた知識が疎くなった当時の世相を反映したものと言えよう。
- 所蔵館
- 江戸東京博物館
- 資料名
- 甲冑着用備双六
- 資料番号
- 10200149
- 大分類
- 印刷物
- 小分類
- 刷物
- 種別
- 双六
- 作者(文書は差出人)
- 歌川芳員/画
- 発行所(文書は宛先)
- 丸屋甚八/版
- 年代
- 江戸末期 安政5年10月 1858 19世紀
- 員数
- 1枚
- 法量
- 49.8cm x 72.8cm
- 江戸博デジタルアーカイブズ
- https://www.edohakuarchives.jp/detail-388.html
江戸東京博物館のその他の収蔵品 (159766)
薬袋 漢方薬袋 神甦散
神宮散本舗/製造
江戸東京博物館
「長崎の春夏を遊ぶかっぱ展」案内パンフレット
清水崑
江戸東京博物館
出産用局方ガーゼ購入券 3メートル
江戸東京博物館
広東覚え帖内 スケッチ(女子 左向き)
清水崑
江戸東京博物館
松竹ニウス 第8号
柳思外
江戸東京博物館
東京都私設下水道章標
江戸東京博物館
東京台湾協会専門学校東洋物産陳列場
江戸東京博物館
旗本 近藤隼人用倫 先祖書
近藤用倫/作成
江戸東京博物館
扇面画 汐干狩図
歌川国貞/画 式亭三馬/狂歌
江戸東京博物館
東京日日新聞
江戸東京博物館
回向院境内勧進大相撲番付 安政六年十一月場所
江戸東京博物館
神田区万世橋南官有火除地拝借願(東京府知事芳川顕正宛)
願人 多村藤七/作成
江戸東京博物館
明治座 昭和33年5月興行筋書 五月大歌舞伎
江戸東京博物館
明治神宮御鎮座二十年祭記念市バス乗車券
江戸東京博物館
文明堂乃御菓子のし(「不折」揮毫あり)
文明堂/製
江戸東京博物館
柄巻用鮫皮
江戸東京博物館