
オッペンハイムの1960年代末から70年代初頭にかけての仕事は、野外での大規模なプロジェクトであるランドアートと多くは自らの身体を介在させたボディーアートにおおまかに二分される。前者の典型と言える《管理された播種/無効にされた収穫》は、特定の地形(小麦畑から貯蔵・加工場であるサイロへ至る道路の形状)を繰り返しかたどって種をまき、その生育を待って今度は畑そのものの取消しを示すかのように大きな×印を描いて収穫するというもの。美術館の空間に収容しきれないスケールそのものが制度への対抗の姿勢を表すが、同時に穀物を食品として加工するということが顔料を絵画上のイリュージョンとして洗練することになぞらえられ、それを取り消す=否定するという手のこんだ皮肉も見え隠れする。一方の《泥土の上の腕立て伏せ》は、ニューヨーク近代美術館での「情報」展の場で行われた、行為とサウンドとスライドによる提示。かつて自ら腕立て伏せをした場所に、その行為の記録がスライドで投影され、同じ場で再びオッペンハイムが雪の中、腕立て伏せをする。両作品ともに、宿命的に保存不可能な「作品」であるため、断絶しているはずの時間と空間が記録として一平面上に提示され、そのことがさらに概念的なレベルの読み込みをつけ加えている。(K.O.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 泥土の上での腕立てふせ
- 作者名
- デニス・オッペンハイム
- 制作年
- 1970
- 分類
- 写真
- 材質・技法
- 写真、コラージュ/パネル
- 寸法
- 130×457cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1996
- 作品/資料番号
- 1996-00-0003-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/4293/
東京都現代美術館のその他の収蔵品 (8084)

メス
ジョルジュ・ルース
東京都現代美術館
](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/13223.jpg)
[小清水漸作品写真集 2](50/74)
小清水 漸
東京都現代美術館

THE LIFE OF ANDY WARHOL
ジョナス・メカス
東京都現代美術館

鳥の辞典
塩見 允枝子(千枝子)
東京都現代美術館

ホテル・アカトラン、2週間後
デイヴィッド・ホックニー
東京都現代美術館

天壇
福田 豊四郎
東京都現代美術館

震災スケッチ(神田常盤橋付近)
鹿子木 孟郎
東京都現代美術館

私の位置
堀越 政寿
東京都現代美術館
![作品画像:よろこび B[『サーカス』より]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2025/06/18462-771x1024.jpg)
よろこび B[『サーカス』より]
瑛九
東京都現代美術館

BIRDMAN・テロのデッサン 2
岡本 信治郎
東京都現代美術館

風景
川村 清雄
東京都現代美術館

触 ”テーブルの上で” Ⅲ
吉田 克朗
東京都現代美術館

鼓動の円
オノサト トシノブ
東京都現代美術館

瀕死のケンタウロス
エミール=アントワーヌ・ブールデル
東京都現代美術館

牡丹
オノサト トシノブ
東京都現代美術館
![作品画像:鱶とマルドロオル[『マルドロオルの歌』より]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/18970.jpg)
鱶とマルドロオル[『マルドロオルの歌』より]
駒井 哲郎
東京都現代美術館