マーデンは1960年代の終わリから70年代を通じて単色のパネルを組み合わせた作品に取り組んでいる。この作品も3枚のパネルを組み合わせたもので、ワックスで溶いた絵具を大型のヘラとパレットナイフで処理した表面は痕跡がなく周密である。この頃マーデンはギリシアを定期的に訪れるようになっており地中海文化に対する関心を深めていた。タイトルにはそれまでの身近な地名や人名などに代わってギリシア神話への言及があらわれ、さらに古代建築に想を得た構成も行われるようになっていく。この作品を含む《月》と題された3点のシリーズに関しても、彼の読書に含まれていたギリシア文化に関する書物のなかに相当する記述を見いだすことができる。それに従えば月の満ち欠けは人生の段階に対応し、この第一の作品は新月、すなわち誕生したばかりの弱々しいが成長を迎えるべき存在ということになる。「ミニマル・アート」という呼称に一括される作品のうちにはまた、しばしば象徴的な要素が指摘されている。(C.H.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- ムーン Ⅰ
- 作者名
- ブライス・マーデン
- 制作年
- 1977
- 分類
- 絵画
- 材質・技法
- 油彩、ワックス/カンヴァス
- 寸法
- 213.4×304.7cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1991
- 作品/資料番号
- 1991-00-0044-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/3885/
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