
印象派や点描主義、キュビスム、シュルレアリスムなど様々な絵画様式を試みた瑛九は、技法面においても版画や油彩、写真といったジャンルを超えた数々の実験的手法を生み出した。1957年に制作された《カオス》は、瑛九のそのような変遷が凝縮された興味深い作品であるといえる。4枚のパネルによって構成されている本作品は、瑛九をはじめとするデモクラート美術協会のメンバーを支持した美術評論家久保貞次郎邸の蔵の外壁を飾るために制作されたもので、クラゲのような有機的な形態や円形の型紙を用い、エアブラシで油絵具を吹き付けている。印画紙の上に型紙を置き、金網を通した光をあてて制作するフォト・デッサンの技法がここで応用されており、それが点描主義やキュビスムの要素を内包した摩訶不思議な効果を醸し出している。瑛九はこの後、点描をあたかも細分化し、画面全体を覆うような不安感を感じさせる画風に突き進んだ。
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- カオス
- 作者名
- 瑛九
- 制作年
- 1957
- 分類
- 絵画
- 材質・技法
- 油彩/合板
- 寸法
- 137.7×335cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1990
- 作品/資料番号
- 1990-00-0003-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/3823/
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