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鳥女

鳥女 Bird Woman

小山田 二郎 OYAMADA Jiro

白く禿げ上がった額の下に、まるで鷹のように鋭い目付きで左方をみつめる横顔がある。しかし、それ以外の部分は輪郭を含め全て曖昧に放っておかれている。さらに、その薄塗りの表面は無数の線で細かく傷つけられているため、暫く画面を凝視して漸く、どうやらその頭部が鳥らしいと了解されるのである。rn1930年代半ばシュルレアリスムのグループ「アニマ」に参加した小山田の絵画に、初めて「鳥女」が登場したのは、1940年代初頭のことである。頭部が鳥、身体が人間という、シュルレアリスムのコラージュの技法によって構成される鳥女は、画家の内部で飼い馴らしながら抱え込む存在として、40年余にわたって中心的なモティーフとして画面を支配することになる。それは、同じくシュルレアリスムの画家エルンストが繰り返し描く、エロスによって見るものを当惑させる鳥女とは異なり、画家の内面を凝視するとともに、画家自身の異形として、社会を見つめているかのようだ。第4回現代日本美術展出品作。(N.S)rn

所蔵館
東京都現代美術館
作品/資料名
鳥女
作者名
小山田 二郎
制作年
1961
分類
絵画
材質・技法
油彩/カンヴァス
寸法
145.5×97.5cm
受入区分
購入
受入年度
1989
作品/資料番号
1989-00-0064-000
東京都現代美術館コレクション検索
https://mot-collection-search.jp/shiryo/3689/

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