浜口はカラーメゾチントの作品で有名である。西欧に伝わるメゾチントの技法は一次廃れたが、20世紀になって長谷川潔によって復活した。その技法をさらに進めカラーメゾチントを捜索したのは浜口であった。彼の作品の多くはぶどう、胡桃、白菜、西瓜、アスパラガスなどを対象とした静物画である。広い余白を残した単純な構図の中に、園対象の量感を余すことなく伝えるその表現は浜口の技法ならではのものである。黒の微妙な色調を生かしたモノクロームの作品にも秀作は多いが、カラーの作品はその技法と独自の色使いから他に例を見ないものである。本作品の場合、極端に横長の構図の中に鮮やかな赤で西瓜の一切れを描き出し、中に種の黒をリズミカルに散らしポイントとしている。彼のほかの作品、例えば広い画面の中に胡桃を一つ浮かび上がらせた作品などは象徴的な雰囲気を持ち、物の存在することの不思議さをわれわれに感じさせる。
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 西瓜
- 作者名
- 浜口 陽三
- 制作年
- 1981
- 分類
- 版画
- 材質・技法
- メゾチント
- 寸法
- 23.6×54.6cm
- エディション等
- Ed. 114/150(画面外左下)
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1982
- 作品/資料番号
- 1975-00-7552-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/2830/