
浜口はカラーメゾチントの作品で有名である。西欧に伝わるメゾチントの技法は一次廃れたが、20世紀になって長谷川潔によって復活した。その技法をさらに進めカラーメゾチントを捜索したのは浜口であった。彼の作品の多くはぶどう、胡桃、白菜、西瓜、アスパラガスなどを対象とした静物画である。広い余白を残した単純な構図の中に、園対象の量感を余すことなく伝えるその表現は浜口の技法ならではのものである。黒の微妙な色調を生かしたモノクロームの作品にも秀作は多いが、カラーの作品はその技法と独自の色使いから他に例を見ないものである。本作品の場合、極端に横長の構図の中に鮮やかな赤で西瓜の一切れを描き出し、中に種の黒をリズミカルに散らしポイントとしている。彼のほかの作品、例えば広い画面の中に胡桃を一つ浮かび上がらせた作品などは象徴的な雰囲気を持ち、物の存在することの不思議さをわれわれに感じさせる。
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 西瓜
- 作者名
- 浜口 陽三
- 制作年
- 1981
- 分類
- 版画
- 材質・技法
- メゾチント
- 寸法
- 23.6×54.6cm
- エディション等
- Ed. 114/150(画面外左下)
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1982
- 作品/資料番号
- 1975-00-7552-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/2830/
東京都現代美術館のその他の収蔵品 (8084)

積み木
岡本 信治郎
東京都現代美術館
![作品画像:[斎藤義重作品写真集:ファイル 1] 84/127](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/11664.jpg)
[斎藤義重作品写真集:ファイル 1] 84/127
斎藤 義重
東京都現代美術館

海辺麦秋
木和村 創爾郎
東京都現代美術館

日記 1970年4月28日
野田 哲也
東京都現代美術館

六面体
飯田 善國
東京都現代美術館

88 – 風の背骨・12
林 孝彦
東京都現代美術館

花と鳥
森 白甫
東京都現代美術館

東方の博士の祝福
川口 雄男
東京都現代美術館

発見の塔
アンソニー・カロ
東京都現代美術館

自画像
木村 荘八
東京都現代美術館

妙義連峰
木和村 創爾郎
東京都現代美術館

Work “7”
吉田 克朗
東京都現代美術館

ウッドペインティングによるプラクティス PWP6
彦坂 尚嘉
東京都現代美術館
![作品画像:「シカゴに向けて開かれた窓」[『新アメリカの没落』より]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2025/05/20637-753x1024.jpg)
「シカゴに向けて開かれた窓」[『新アメリカの没落』より]
ロイ・リキテンスタイン
東京都現代美術館

聖車
山下 菊二
東京都現代美術館

《柔かに、還元》シリーズのための前哨的作業譜断片(A-9)
中西 夏之
東京都現代美術館