ボロフスキーは絵画、彫刻、素描、音、光を展覧会場のいたる所に配置し、鑑賞者を包み込む空間を構築する。それは彼の夢の中のイメージであり、子どもの頃の記憶であり、個人的メッセージであり、彼の心の中でもある。その中で、私たちは彼が世に送り出した、数字が書かれた様々な人間に出会う。《ハンマリングマン(槌打つ人)》、《ランニングマン(走る人)》、《チャタリングマン(しゃべる人)》……。それらは彼の夢の中などに登場する人物であり、彼自身でもある。ハンマリングマンが仕事をする労働者の象徴であり、働く作家自身でもあるように、《ブリーフケースを持つ人》は世界中を飛びまわるビジネスマンの象徴であり、素描をカバンに詰めて展覧会場をまわる作家自身である。その経歴の初期の段階で、ボロフスキーは作品を制作することをやめ、数を数え紙に書き続ける、カウンティングという観念的作業を始めた。その後制作を再開した彼は、作品にその時点での数を書き込んだ。この作業で、彼は彼の観念的側面と具象的な側面とを結び付けたのである。両者の結合したものとして、ボロフスキーは署名の代わりにカウントされた数を作品に書き込んでいく。(S.O.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- ブリーフケースを持つ人 2816938
- 作者名
- ジョナサン・ボロフスキー
- 制作年
- 1983
- 分類
- 彫刻・インスタレーションほか
- 材質・技法
- 合成樹脂
- 寸法
- 231.5×60×2.5cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1987
- 作品/資料番号
- 1975-00-4196-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/1450/
東京都現代美術館のその他の収蔵品 (8082)
Aic
一原 有徳
東京都現代美術館
白い光、落ちる闇 ― 椿
橋本 トモコ
東京都現代美術館
ブルー・ギターのうなり[『ブルー・ギター』より]
デイヴィッド・ホックニー
東京都現代美術館
ピアニストのための方向の音楽
塩見 允枝子(千枝子)
東京都現代美術館
野ばらの園
木和村 創爾郎
東京都現代美術館
風
末松 正樹
東京都現代美術館
水のリトグラフ(太線、細線、2種類のライトブルーの淡彩)
デイヴィッド・ホックニー
東京都現代美術館
演奏家集団-new direction 定期演奏会 4 1963.12.19 草月会館ホール
神田 昭夫/杉浦 康平
東京都現代美術館
遠州灘 ひざ小僧
中村 宏
東京都現代美術館
いらいら(A)
浜田 知明
東京都現代美術館
オリーブの島
木和村 創爾郎
東京都現代美術館
d’encres S
園山 晴己
東京都現代美術館
転位 ’83-地-Ⅷ
中林 忠良
東京都現代美術館
[apple yard 43]
三木 富雄
東京都現代美術館
芝増上寺[『新東京百景』より]
深沢 索一
東京都現代美術館
[自画像]
新海 覚雄
東京都現代美術館