
《儀式》というこの作品について作者は、人間不在の均質化した儀式というものをネクタイとカラーによって象徴的に表したものであり、それは、反体制運動が盛んであった当時の時代風潮の産物であると述べている。そういえば、「ホワイトカラー」という言葉が「ブルーカラー」という言葉に対置され、特権的な響きをもって大半の国民の中流意識を煽った時代であった。ステンレスの台にしっかりと張られた革は、社会の制度や慣習に縛られた人間性を示しているのだろうか。この作品の意図は、このように単純明快、むしろ素朴といってよいものだが、社会批判の深刻さや鋭さはなく、作者特有のユーモアを感じさせる。わが国の戦後の抽象彫刻をリードしてきた建畠は、ヘンリー・ムーアらの影響を受けつつ様々な素材と形態の実験を通して自己の方向を模索し、徐々に具象的な側面を払拭していったが、軽やかに立っている2本のアルミニウムのネクタイは、 再現的なイメージでありながら、近年の彼の作品に特徴的な波状の曲線による造形を予告している。(K.M.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 儀式
- 作者名
- 建畠 覚造
- 制作年
- 1972
- 分類
- 彫刻・インスタレーションほか
- 材質・技法
- アルミニウム、ステンレス、革
- 寸法
- 125×100×80cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1979
- 作品/資料番号
- 1975-00-4097-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/1340/
東京都現代美術館のその他の収蔵品 (8084)

1970年代美術記録写真集 「草間彌生 1982年2月2日 フジテレビギャラリー」
安齊 重男
東京都現代美術館

中津溪谷
木和村 創爾郎
東京都現代美術館

[小林ドンゲ関連資料一括:スクラップブック]
小林 ドンゲ
東京都現代美術館
![作品画像:飾りのある金の額に入ったメルローズ通りの風景画[『ハリウッド・コレクション』より]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2025/06/15399.jpg)
飾りのある金の額に入ったメルローズ通りの風景画[『ハリウッド・コレクション』より]
デイヴィッド・ホックニー
東京都現代美術館

一億光年の星屑
草間 彌生
東京都現代美術館

1970年代美術記録写真集 「川俣正 1982年12月31日 タカラハウス 東京」
安齊 重男
東京都現代美術館

プロジェクターによるパフォーマンス
郭 徳俊
東京都現代美術館

小川未明「月と海豹」挿画 [未使用]
中村 宏
東京都現代美術館

母と子
多々羅 義雄
東京都現代美術館

スリーウェイプラグ スケールB、ソフト
クレス・オルデンバーグ
東京都現代美術館

無題
井田 照一
東京都現代美術館

POY (d)
一原 有徳
東京都現代美術館
](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/13304.jpg)
[小清水漸作品写真集 4](25/28)
小清水 漸
東京都現代美術館

十字架の道 12
村上 友晴
東京都現代美術館

アンソニー・カロ《太陽の祝祭》1969‐70
安齊 重男
東京都現代美術館

篠原有司男「女の祭」展[会場写真]
東京都現代美術館