白い扉に男と女の影がうつっている。扉を開けるとそこに広がるのは色鮮やかな青の世界。そこにも同じ男と女の影があり、扉がある。だが、実際には、扉の前には誰もいないし、扉の上の影も描かれたものにすぎない。ノブを回す男もその前に立つ女も影だけを残してどこかに消えてしまったようだ。しかし、いないはずの二人の気配が強く感じられるのはなぜだろう。作者の高松次郎は、「私を強くひきつけるものは、例えば迷宮入り事件のように、未解決性、未決定性、可能性などの『空虚』を充満した事物であります」と述べているが、彼は、この作品の男と女のように「不在」や「空虚」(影だけの世界)こそが逆に強い存在感を呼び起こすことに注目し、1964年から「影のシリーズ」を始めた。それは、われわれのすぐそばにありながら、決して手の届かない秘密めいた世界、すなわち、日常生活の中の迷宮を生み出す装置である。《扉の影》は、その「影のシリーズ」を代表する作品として知られている。(Y.S.)rn
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 扉の影
- 作者名
- 高松 次郎
- 制作年
- 1968
- 分類
- 彫刻・インスタレーションほか
- 材質・技法
- ラッカー/木
- 寸法
- 180×380×10cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1978
- 作品/資料番号
- 1975-00-4084-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/1327/
東京都現代美術館のその他の収蔵品 (7905)
1970年代美術記録写真集 「雅陶堂ギャラリー竹芝 オープン 若林[奮] 1982年11月1日」
安齊 重男
東京都現代美術館
そりのあるかたち – 1
澄川 喜一
東京都現代美術館
スティング
アンディ・ウォーホル
東京都現代美術館
[吉田克朗関係資料一括]
吉田 克朗
東京都現代美術館
風船
馬場 梼男
東京都現代美術館
松澤宥記録写真集 1969 東京都美術館7/7
松澤 宥
東京都現代美術館
中之島(公園)[『大阪風景』より]
織田 一磨
東京都現代美術館
顔のための消える音楽
塩見 允枝子(千枝子)
東京都現代美術館
炭坑
中原 實
東京都現代美術館
cat curving
落合 多武
東京都現代美術館
PL.7 夕立[『人それを呼んで反歌という』より]
駒井 哲郎
東京都現代美術館
菅井汲展(東京画廊、プラザディック、南画廊)
東京都現代美術館
洗濯バサミは攪拌行動を主張する
中西 夏之
東京都現代美術館
[1944.12.10]
末松 正樹
東京都現代美術館
椅子の上の乾いた像
マーク・マンダース
東京都現代美術館
1970年代美術記録写真集 「近藤博志 1980年2月4日 ときわ画廊」
安齊 重男
東京都現代美術館