
白い扉に男と女の影がうつっている。扉を開けるとそこに広がるのは色鮮やかな青の世界。そこにも同じ男と女の影があり、扉がある。だが、実際には、扉の前には誰もいないし、扉の上の影も描かれたものにすぎない。ノブを回す男もその前に立つ女も影だけを残してどこかに消えてしまったようだ。しかし、いないはずの二人の気配が強く感じられるのはなぜだろう。作者の高松次郎は、「私を強くひきつけるものは、例えば迷宮入り事件のように、未解決性、未決定性、可能性などの『空虚』を充満した事物であります」と述べているが、彼は、この作品の男と女のように「不在」や「空虚」(影だけの世界)こそが逆に強い存在感を呼び起こすことに注目し、1964年から「影のシリーズ」を始めた。それは、われわれのすぐそばにありながら、決して手の届かない秘密めいた世界、すなわち、日常生活の中の迷宮を生み出す装置である。《扉の影》は、その「影のシリーズ」を代表する作品として知られている。(Y.S.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 扉の影
- 作者名
- 高松 次郎
- 制作年
- 1968
- 分類
- 彫刻・インスタレーションほか
- 材質・技法
- ラッカー/木
- 寸法
- 180×380×10cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1978
- 作品/資料番号
- 1975-00-4084-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/1327/
東京都現代美術館のその他の収蔵品 (8084)

『博物譜』(20/28)
恩地 孝四郎
東京都現代美術館
![作品画像:[スケッチブック 2] (9/19)](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/5612.jpg)
[スケッチブック 2] (9/19)
黒田 古郷
東京都現代美術館

メロン
アンディ・ウォーホル
東京都現代美術館
![作品画像:[二人の兵士]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2025/05/16536.jpg)
[二人の兵士]
田村 孝之介
東京都現代美術館

12のトルソ No.10 体操の少年
棚田 康司
東京都現代美術館

無題
井田 照一
東京都現代美術館
![作品画像:[自画像]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2025/05/19966-796x1024.jpg)
[自画像]
福島 秀子
東京都現代美術館
![作品画像:ガラス地図 [ワタリドリ計画「シリーズ 深川の旅」]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/21915.jpg)
ガラス地図 [ワタリドリ計画「シリーズ 深川の旅」]
武内 明子
東京都現代美術館
![作品画像:8. かたちもないものがかたちをもとうとする初原の渾沌がそこに現出されているのであつた。[『九つの夢から』より]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2025/09/19185.jpg)
8. かたちもないものがかたちをもとうとする初原の渾沌がそこに現出されているのであつた。[『九つの夢から』より]
駒井 哲郎
東京都現代美術館

TYO – No.225 千代田区永田町1(憲政記念公園下、桜川濠寄り)
中川 政昭
東京都現代美術館

Y市の橋 C
松本 竣介
東京都現代美術館
![作品画像:戸山ヶ原[『新東京百景』より]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2025/09/20050-1024x778.jpg)
戸山ヶ原[『新東京百景』より]
逸見 享
東京都現代美術館

雨瑞天然蛙硯
雨宮 静軒
東京都現代美術館

作品 A-3
建畠 覚造
東京都現代美術館

No28/1990
コム・デ・ギャルソン/川久保玲
東京都現代美術館

法起寺風景
木和村 創爾郎
東京都現代美術館