ドリップ状の絵の具が幾重にも折りかさなった、一見ポロックを思わせる表現主義的な画面であるが、その描線は、実は作家の手を介して描かれたものではなく、おもちゃの電気自動車に積んだ絵の具が滴り落ちた軌跡であり、その意味では「表現」するということの対極に位置すると言える。1952年に金山は、後に共に初期具体の中核を成す白髪一雄、田中敦子、村上三郎らと〈0会〉を結成、若手作家間の勉強会的な雰囲気の中で相互批評を繰り返しながら作品を発表し、1954年頃にはすでに「モンドリアンの純粋抽象をさらに単純化したような」先鋭的な絵画作品を手がけている。具体会員となった1955年頃には、何も描いていない新品のカンヴァスを作品として提出し、師の吉原治良に却下されるというエピソードも残している。彼が行き着いた電気自動車の使用は、吉原の「今までにないものを」という教えに基づく新しい試みであり、また、絵画制作を客観化しようという彼のクールな態度を具現するものであった。(K.O.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 作品
- 作者名
- 金山 明
- 制作年
- 1958
- 分類
- 絵画
- 材質・技法
- ビニール塗料/ビニール
- 寸法
- 180×260cm
- 受入区分
- 寄贈
- 受入年度
- 1981
- 作品/資料番号
- 1975-00-0148-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/150/