1957年、フランスの前衛芸術運動であるアンフォルメル(非定形の意)旋風が日本に吹き荒れた。その立役者が、フランスでこの改革の波に身を投じていた今井俊満である。この年、5年ぶりに帰国した今井は、相次いで来日した評論家ミシェル・タピエ、画家ジョルジュ・マチウと共に各地で運動を展開し、戦後なお旧態依然とした日本の画壇に強烈な衝撃を与えた。60年代初頭に描かれた本作品は、50年代後半の暗褐色を主調とした混沌たる世界とは一線を画すものであり、特にその鮮烈な色彩に新たな境地を見ることができる。薄く塗られた青の上に複雑に盛り上がった朱色は、あたかも絵具のチューブが爆発したかのようにエネルギッシュで、カンヴァスの狭い枠を越え奔流と化す。常に自己変革を厭わない今井は、後に日本的な「花鳥風月」の世界へと推移していくが、それも「絵画は生活そのものである」という画家自身の生の軌跡と言えるであろう。(C.M.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 鯉のぼり
- 作者名
- 今井 俊満
- 制作年
- 1962
- 分類
- 絵画
- 材質・技法
- 油彩/カンヴァス
- 寸法
- 150×300cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1979
- 作品/資料番号
- 1975-00-0098-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/100/