
1本の太い茎に咲き乱れる菊の花々。その色たるや白や黄といった定番から紅、紫などの普段見かけない色まで実に多彩。サイズや咲き方も様々。菊の園芸品種の多さを物語る作品となっている。もちろんこんな菊が自然に育つはずはない。駒込の植木屋今右衛門が園芸技術を駆使し、百種の品種を1本に接木したものであった。
このパフォーマンスの誕生までにはそれなりの試行錯誤があった。まず一輪だけを大きく作る「大作り」が流行。やがて15尺(約4.54メートル)にも達する高い位置で開花させ、茶屋の2階から観賞する「高作り」の登場をみた。次に、一度に咲かせる花の数を競い始め、その数3000に達するものも登場したかと思えば、選りすぐりの名花ばかりを接木するパフォーマンスが誕生し、ここに至って植木屋今右衛門の傑作「百種接分菊」が登場することとなった。
菊の花を使ったパフォーマンスは、移ろいやすい庶民の嗜好に対応しつつ、はやり廃りを繰り返しながら変遷し、やがて菊人形の登場をみ、これが現代へと続いた。こうした菊細工の大衆化の過程をみると、江戸時代の園芸文化の庶民性を改めて痛感させられる。
- 所蔵館
- 江戸東京博物館
- 資料名
- 百種接分菊
- 資料番号
- 93200932-93200934
- 種別
- 錦絵
- 作者(文書は差出人)
- 歌川国芳/画
- 発行所(文書は宛先)
- 伊豆/版
- 年代
- 江戸後期~末期 19世紀
- 員数
- 3枚続
- 江戸博デジタルアーカイブズ
- https://www.edohakuarchives.jp/detail-9187.html
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