
大江戸しばいねんぢうぎやうじ さし出しかんてら Annual Events of Theaters in Great Edo: Lit by Lanterns
鳥居清貞,安達吟光/画 Torii Kiyosada , Adachi Ginko
江戸歌舞伎の1年は、毎年11月から始まった。各劇場でこの年に出演する俳優を決め、その顔ぶれをお披露目する11月の顔見世は、最も重大な興行であった。芝居小屋には、座紋を描いた大提灯が「大入」の看板の両側につり下げられ、軒には小型の吊提灯が数百個も飾りたてられた。
ところが、意外にも舞台は暗かった。明治期になるまで、舞台照明は自然光が頼りだった。そもそも、芝居自体、朝から始まり、夕方に終わっていた。これは火事を防ぐためだったが、顔見世興行の際は夜明け前から始まるため、舞台照明は不可欠だった。こうした場合には、奉行所に使用許可願を申請すれば、灯火具の使用は可能だった。
芝居のなかで用いられる独特な灯火具がある。この錦絵で演者の左右から後見が差し出しているのが「さし出しかんてら」。二段になった長い柄の先に、ろうそくを立てる枡形の燭台がついたもので、大事な場面でさっと伸ばし、役者の顔だけを明るく照らし出す。今でいうスポットライトであった。四代目市川団蔵が、自分の顔をよく見せるために考案したとも伝えられる。現代の歌舞伎でも演出のひとつとして用いられている。
- 所蔵館
- 江戸東京博物館
- 資料名
- 大江戸しばいねんぢうぎやうじ さし出しかんてら
- 資料番号
- 91970058
- 種別
- 錦絵
- 作者(文書は差出人)
- 鳥居清貞,安達吟光/画
- 発行所(文書は宛先)
- 長谷川寿美/版
- 年代
- 明治後期 明治30年 1897 19世紀
- 員数
- 1枚
- 備考
- 91220155,91970048~91970073大江戸しばいねんぢうぎやうじ 全揃
- 江戸博デジタルアーカイブズ
- https://www.edohakuarchives.jp/detail-7843.html
江戸東京博物館のその他の収蔵品 (111521)

会報 東京オリンピック 30
与謝野秀/編
江戸東京博物館

整備資金払込受領証
江戸東京博物館

白鹿醸造元辰馬本家 白鹿影絵
江戸東京博物館

絵画叢誌 第97巻
江戸東京博物館

炭火アイロン
江戸東京博物館

手拭熨斗袋 寿(白無地) 料亭恵比寿家
江戸東京博物館

フック
江戸東京博物館

(江戸問屋仲間双六)商人問屋大双六
歌川広重(初代)/画
江戸東京博物館

俵屋(喜多川家)資料 文書断片
江戸東京博物館

浅川先納金之事ニ関スル元方御勘定頭書状
元方御勘定頭/作成
江戸東京博物館

209番糸(薄紫)
DMC
江戸東京博物館

薬種処方法 乾
江戸東京博物館

幻灯種板 女子教育
東京斎藤/製
江戸東京博物館

大正第一次天長節記念花電車絵葉書
江戸東京博物館

昭和十二年度事業報告 昭和十二年度決算報告 昭和十三年度予算案
本所区町会連合会
江戸東京博物館

太平楽府
滅方海(畠中観斎)/著
江戸東京博物館