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東都名所 日本橋真景并ニ魚市全図

東都名所 日本橋真景并ニ魚市全図

歌川広重/画

河川と人工の堀が縦横にめぐらされた江戸には、大小多くの橋があった。その中でも、各地につながる五街道の起点とされ、多くの人々が行き交った日本橋は、格別の存在だった。橋の上からは、富士山や江戸城を見渡すことができ、一帯は船で運び込まれた荷物が陸揚げされる商業の中心地だった。  日本橋の北側、本船町(ほんふなちょう)から本小田原町付近は「魚河岸」と呼ばれ、毎朝、生きのいい魚が荷揚げされていた。作品中央に描かれた日本橋川をみると、酒樽や米俵を積み上げて往来する多くの船に交じって、細長い船形の押送舟(おしおくりぶね)と呼ばれた鮮魚専用の高速運搬船が描かれている。  題名にある魚市は画面下方で、運び込まれた鮮魚を仲買商人たちが売買している。サイズの大きい鯛などの上等魚は、公儀御用として江戸城に上納された。残った鮮魚は棒手振(ぼてふり)たちによって江戸市中に売りだされ、庶民の胃袋を満たした。  町々を区切る木戸や高い梯子が備え付けられた「自身番」と呼ばれる番屋も丁寧に描き込まれていて、高い写実性も見所のひとつである。

所蔵館
江戸東京博物館
資料名
東都名所 日本橋真景并ニ魚市全図
資料番号
90207421-90207423
種別
錦絵
作者(文書は差出人)
歌川広重/画
発行所(文書は宛先)
蔦屋吉蔵/版
年代
江戸後期 天保頃 1830~1844 19世紀 
員数
3枚続
江戸博デジタルアーカイブズ
https://www.edohakuarchives.jp/detail-4997.html

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