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東京二十景 芝増上寺

東京二十景 芝増上寺 Twenty Views of Tokyo : Zojoji Temple in Shiba

川瀬巴水/画 Kawase Hasui

 ちょっとした吹雪の中、1人の女性が傘をすぼめて歩いている。場所は東京の芝。江戸の頃より、同所に建つ増上寺の三門の前だ。川瀬巴水は、大正から昭和にかけて活躍した画家で、風景版画の名手として知られている。この作品は、関東大震災後の東京風景を描いた20枚シリーズのうちの1枚である。震災後の東京が復興計画のもと、まさに近代都市を目指しつつあった頃の作品だ。
 しかし風雪の中を歩く女性の姿というのは、江戸時代に好んで描かれた美人画のひとつ、いわゆる「雪中美人図」の伝統をくむもの。また白い雪と赤い門という、鮮やかな色彩の対比や、画面手前にはみ出すように大きく樹木を描く画面構成は、江戸時代に名所絵で筆をふるった、歌川広重の作品を思い起こさせる。
 さらに巴水の木版画作品は、江戸時代の浮世絵と同じ方法によって制作されている。つまり巴水という「絵師」が下絵を描き、「彫師」という専門家が下絵を版木に彫り、同じく「摺師」という専門家が、その版木を摺って、作品を完成させたということだ。
 巴水の版画には、もちろん近代都市東京を象徴するような作品もある。だがこの作品のように、技術面はもとより、江戸時代からの伝統や情緒を感じさせる風景画も残されている。

所蔵館
江戸東京博物館
資料名
東京二十景 芝増上寺
資料番号
90203125
種別
近代木版
作者(文書は差出人)
川瀬巴水/画
発行所(文書は宛先)
渡辺庄三郎/版
年代
大正末期 大正14年 1925 20世紀 
員数
1枚
法量
38.8cm x 26.5cm
備考
90203125~90203144東京二十景 全揃
江戸博デジタルアーカイブズ
https://www.edohakuarchives.jp/detail-4614.html

作者について

川瀬巴水 / KAWASE Hasui

from Art Platform Japan: https://artplatform.go.jp/resources/collections/artists/A2447

生年月日
1883
生地
東京府芝区(現・港区)
没年月日
1957-11-07
活動領域
版画
性別

Wikipedia

川瀬 巴水(かわせ はすい、1883年(明治16年)5月18日 - 1957年(昭和32年)11月7日)は、日本の大正・昭和期の浮世絵師、版画家。本名は川瀬 文治郎(かわせ ぶんじろう)。衰退した日本の浮世絵版画を復興すべく吉田博らとともに新しい浮世絵版画である新版画を確立した人物として知られる。近代風景版画の第一人者であり、日本各地を旅行し旅先で写生した絵を原画とした版画作品を数多く発表、日本的な美しい風景を叙情豊かに表現し「旅情詩人」「旅の版画家」「昭和の広重」などと呼ばれる。アメリカの鑑定家ロバート・ミューラーの紹介によって欧米で広く知られ、国内よりもむしろ海外での評価が高く、浮世絵師の葛飾北斎・歌川広重等と並び称される程の人気がある。仮名垣魯文は伯父に当たる。

Identifiers

APJ ID
A2447
VIAF ID
Hasui's works were commonly landscapes
AKL ID
https://doi.org/10.1093/benz/9780199773787.article.B00084476
NDL ID
00000000
Wikidata ID
whose artists depicted traditional subjects with a style influenced by Western art. Like many earlier ukiyo-e prints

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