「銀世界」を描いたのは大首絵の美人画で有名な喜多川歌麿。実は単なる絵本ではなく、雪をテーマに5枚の絵を組み入れた狂歌絵本(きょうかえほん)と呼ばれるもの。歌麿と狂歌の組み合わせは意外に思われるかも知れないが、江戸の出版界に新風を巻き起こす大きな出来事だった。
天明3年(1783年)、出版元の蔦屋重三郎(つたやじゅうざぶろう)は通油町南側に店を出すと、すでに狂歌師として名をあげていた四方赤良(よものあから)大田南畝(おおたなんぽ)と朱楽菅江(あけらかんこう)山崎景貫(やまざきかげつら)らと組んで狂歌本を次々と出版した。蔦屋は、天明狂歌(てんめいきょうか)と呼ばれる狂歌隆盛のこの時代に、文芸と絵画を合体させた狂歌絵本という新しいスタイルを世に送り出し、ブームに拍車をかける。これによって歌麿は人気絶頂を迎え、天明8年から寛政2年(1790年)のごく短い期間に10冊以上の狂歌絵本を残している。一方、狂歌は、松平定信(まつだいらさだのぶ)の寛政の改革によって、次第に天明期の勢いをなくしていく。
- 所蔵館
- 江戸東京博物館
- 資料名
- 銀世界
- 資料番号
- 89200135
- 大分類
- 典籍
- 小分類
- 版本
- 種別
- 美術工芸
- 作者(文書は差出人)
- 喜多川歌麿/画
- 発行所(文書は宛先)
- 蔦屋重三郎/版
- 年代
- 江戸後期 寛政2年 1790 18世紀
- 員数
- 1冊
- 法量
- 25.6cm x 19cm
- 江戸博デジタルアーカイブズ
- https://www.edohakuarchives.jp/detail-3691.html
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