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東京名所浅草金龍山遠景新開池之図

東京名所浅草金龍山遠景新開池之図 Famous Views of Tokyo : Shinkai Pond with the Distant View of Kinryuzan Temple in Asakusa

井上安治/画 Inoue Yasuji

菊細工や珍獣の見世物などでにぎわいをみせていた浅草公園の花屋敷に、本所の材木商・信濃屋が所有する木造瓦葺きの楼閣が移築されたのは、1887年(明治20年)のこと。
奥山閣(おうざんかく)と名付けられた5階建ての建物は、屋根の頂に金箔の鳳凰を掲げ、内装に紫檀や黒檀などの名木を使用、室内には書画、骨董が展示された。4階の回廊からは公園一帯を見渡すことができ、翌年に一般公開が始まると、大きな評判を呼んだという。
奥山閣の移築を手がけたのは、1886年(明治19年)に花屋敷の経営を引き継いだ山本金蔵。金蔵は、もとは深川の材木商で、奥山閣の開業に合わせて花屋敷の敷地を拡張、庭園を広げて動物の種類を増やすなど、精力的な経営に打って出た。
金蔵は、油絵と光線によって実際の風景を見ているような錯覚を作り出す「ジオラマ」の設置や、歌舞伎役者に台詞を吹き込ませた蓄音機を備えるなど、花屋敷の改革に積極的に取り組んでゆく。
しかし浅草では、この絵が描かれた翌年の1890年(明治23年)に、日本一の高さを誇る12階建ての塔・凌雲閣が誕生、人々の興味は、この新しい遊覧施設へと移っていった。一方の花屋敷は、巨額の設備投資と金蔵の浪費癖により経営が破綻、1894年(明治27年)には、その権利が人手に渡ってしまった。

所蔵館
江戸東京博物館
資料名
東京名所浅草金龍山遠景新開池之図
資料番号
87102117
種別
錦絵
作者(文書は差出人)
井上安治/画
発行所(文書は宛先)
長谷川園吉
年代
明治中期 明治22年5月 1889 19世紀 
員数
3枚続
法量
36.6cm x 24.2cm
資料群/コレクション名
喜多川周之浅草コレクション
江戸博デジタルアーカイブズ
https://www.edohakuarchives.jp/detail-2322.html

作者について

井上安治 / INOUE Yasuji

from Art Platform Japan: https://artplatform.go.jp/resources/collections/artists/A2106

生年月日
1864
生地
江戸・浅草並木町(現・雷門二丁目)
没年月日
1889-09-14
活動領域
版画
性別
男性
更新日
2023-02-13

Identifiers

APJ ID
A2106
VIAF ID
253747699
NDL ID
00121141
Wikidata ID
Q11372959

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