
フレヴィンは1963年以来、照明用の蛍光灯を単純な序列で並べて組み合わせた作品を制作している。60年代初期に素材としての「光」に注目した作家は、ほとんど曲線的な表現を自在にできるネオン管を用いたが、空間の問題に関心のあったフレヴィンは蛍光灯を選択した。明晰で単純な形態をもつ彼の作品は客観性を本質とする〈ミニマル・アート〉の美意識を体現するものとして重要視されている。しかし、ジャッドやルウイットとは異なり、フレヴィンは暗示的なタイトルを付していることも事実である。その最も典型的で判りやすい作例が、この作品を含む《タトリンのためのモニュメント》のシリーズであろう。《第1インターナショナルのためのモニュメント》との関連がすぐに想起されるが、「真の空間と真の素材」を開拓せよと言い、芸術性と工業技術を統合しようとしたタトリンの姿勢自体にフレヴィンの共感するところを見出すことも出来よう。簡素ながら構成のある形態と白一色の蛍光灯の光が、ある種の叙情性をも感じさせるフレヴィンの代表作である。(Y.W.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 無題(タトリンのための“モニュメント”)
- 作者名
- ダン・フレヴィン
- 制作年
- 1967-70
- 分類
- 彫刻・インスタレーションほか
- 材質・技法
- 蛍光管
- 寸法
- 243.8×80×11.4cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1991
- 作品/資料番号
- 1991-00-0048-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/3889/
東京都現代美術館のその他の収蔵品 (8082)

祭礼
池部 鈞
東京都現代美術館

woman in sand
井田 照一
東京都現代美術館

作品
堀内 正和
東京都現代美術館

笑いの底
深沢 幸雄
東京都現代美術館

ヨット
高間 惣七
東京都現代美術館

鱶とマルドロオル
駒井 哲郎
東京都現代美術館

緑のボラボラ
デイヴィッド・ホックニー
東京都現代美術館
![作品画像:庭園[『林の目』より]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2025/06/18446-748x1024.jpg)
庭園[『林の目』より]
瑛九
東京都現代美術館
![作品画像:[マニラ湾の落日(昭南泊地)]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2025/05/16153.jpg)
[マニラ湾の落日(昭南泊地)]
小早川 篤四郎
東京都現代美術館
![作品画像:ワタリドリ計画の深川旅のしおり [ワタリドリ計画「シリーズ 深川の旅」]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/24564.jpg)
ワタリドリ計画の深川旅のしおり [ワタリドリ計画「シリーズ 深川の旅」]
ワタリドリ計画(麻生知子、武内明子)
東京都現代美術館

カオス
瑛九
東京都現代美術館

夜明
小堀 進
東京都現代美術館

十字架の道 1
村上 友晴
東京都現代美術館

Deer with cherry tail
漆原 英子
東京都現代美術館

佐渡海村
石井 柏亭
東京都現代美術館
![作品画像:[斎藤義重作品写真集:ファイル 8] 18/30](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/11952.jpg)
[斎藤義重作品写真集:ファイル 8] 18/30
斎藤 義重
東京都現代美術館