赤と黒という強い色彩だけで構成された画面。中央の赤の矩形は、アクリルで均一に塗りこめられ、その両側にある帯状の部分―黒い油絵具の物質性と鋭く対立する。画面を構成する各パートが、それぞれに存在感を主張し、隣り合う部分と拮抗する。日本画家として出発した堂本は、弱冠20歳で日展入選、その後フランスに渡ってからもアンフォルメルの作家として評価され、画家として順風満帆の途にあったが、1960年にーつの壁にぶつかった。数年の空白期をへて発表したこの「連続の溶解(原題は Solution de continuites)のシリーズ」には、堂本が絵画に対する深い問いの中で、模索する跡がうかがえる。すなわち、絵画空間を描き換えること、具体的には地と図の相互関係を組み替える試みだった。画面に現れた赤の矩形は、描き出されたものではなく、黒によって塗り残された部分。1964年のヴェネツィア・ビエンナーレでこのシリーズは、アーサー・レイワ賞を受賞する。(C.M.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 連続の溶解 Solutions des continuités
- 作者名
- 堂本 尚郎
- 制作年
- 1966
- 分類
- 絵画
- 材質・技法
- 油彩、アクリル/カンヴァス
- 寸法
- 162.6×124.2cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1991
- 作品/資料番号
- 1991-00-0008-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/3847/