
長方形の鉄板の上に同じ大きさのガラス板を重ね、そのほぼ中央にかなり大きな自然石が置かれている。鉄板の上には、石を取り囲むように断続的に引かれた白い弧線がある。規則的な輪郭を持った工業製品である鉄板とガラスに、自然石の偶然的で不規則な形態が対比される。一方、重苦しい存在感をたたえた石と鉄板を、透明なガラスの硬質な冷たさが隔てる。3種類の物体は、それぞれ物自体として提示されると同時に、「組み合わせる」という操作が関係性を顕在化させる。それは、物どうしの関係性であり、物と人間(作者/観客)の関係性であり、物と場(空間)との関係性でもある。さらに、物と場とによって構成される、いわゆる「世界」と、人間との関係性が開示される。「世界は私を越えてあり、不透明なものである。私の取った方向は、この不透明な他者を前にする時、自己が絶えず他者として生まれ変わるということだ。作品は、他者との出会いの関係であり、その場所をいう」(李禹煥)。1960年代末より〈もの派〉の中心的作家・理論的指導者として活躍した李は、やがて絵画・彫刻の両分野で、非西欧的な現代美術の範例となる独自の様式を確立し、内外で高い評価を得ている。(Y.M)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 関係項(石・鉄・ガラスその他の関係)
- 作者名
- 李 禹煥
- 制作年
- 1982
- 分類
- 彫刻・インスタレーションほか
- 材質・技法
- 鉄板、ガラス、石
- 寸法
- 60×230×180cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1982
- 作品/資料番号
- 1975-00-4182-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/1433/
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