撮影:柳場大
THE WAY I HEAR, B.S. LYMAN 第五章 協想のためのポリフォニー THE WAY I HEAR, B.S. LYMAN The 5th Movement Polyphony for collective imagination
mamoru mamoru
音楽家としてのバックグランドをもつアーティストmamoru(1977-)は、「聴く」という行為を通じて、直接的には経験できない時空間について、来場者に想像させる作品やパフォーマンスを展開しています。
テキストとサウンドを中心に構成されるインスタレーション《THE WAY I HEAR, B.S. LYMAN 第五章 協想のためのポリフォニー》は、19世紀末に明治政府に雇用され、北海道の地質調査を行ったアメリカ人地質学者・鉱山技師であるベンジャミン・スミス・ライマンについてのさまざまな調査をベースにしています。B.S.ライマンは夕張川の調査をしていた1874年、川岸に塊炭を見つけ、その地に大きな炭層が眠ることを確信します。その後、彼の助手によって日本最大の石狩炭田の一部を成す夕張炭田が発見され、それは炭鉱の街としての夕張の発展をもたらし、ひいては日本の近代化を促進するエネルギー源となりました。
それならば、ライマンが塊炭を発見したその瞬間は、そのずっと先にあるいまここにも接続しているのではないか――。mamoruはその想像を巡らせるべく、ライマンが残した膨大な調査記録や文献を調べ、実際に夕張へ赴いて彼が率いた調査団の足取りをたどりながら、ライマンが聞いたであろう音を採取しました。ライマンとmamoruそれぞれが訪れた、異なる時代の同じ場所についての断片的な記録と記憶が、2つのスクリーン上のテキストと、聴こえてくる言葉として呼応とズレを繰り返しながら、さまざまなイメージや音の風景を鑑賞者に彷彿とさせます。それは、直接的には経験することができない時空間へと、聴くことを通じてアクセスする試みであるとも言えるでしょう。
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- THE WAY I HEAR, B.S. LYMAN 第五章 協想のためのポリフォニー
- 作者名
- mamoru
- 制作年
- 2015
- 分類
- 彫刻・インスタレーションほか
- 材質・技法
- テキスト映像の2チャンネル・プロジェクション、2チャンネル・サウンド、アーカイブ資料
- 寸法
- 15分5秒
- エディション等
- ed.1/3
- 時間
- 15分5秒
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 2015
- 作品/資料番号
- 2015-00-0005-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/8059/
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