
大岩オスカールは、1965年、日系二世としてブラジルのサンパウロに生まれ、日本での生活(1991-2002年)を経た後、現在ニューヨークを拠点に活動している画家である。身の回りの社会事象や歴史、映画やマンガなどを自在に参照、構成し、巧みな筆捌きをもって大画面の油彩画に取り組んでいる。私的な物語性も含みながらもスケール感のある作品は、グローバリズムを迎えた現代社会の在りさまを映すものとして近年ますます評価を高めており、世界的に発表が相次いでいる。大岩の住居が当館近隣の足立区であったこともあり、当館ではこの時期の作品を多数所蔵している。rn《ホワイト(オス)カー 森》は、作家自宅の周辺に取材して描かれた作品。路地を進む白い車は、タイトルにあるように自身の分身であり、いわば一種のセルフポートレイトと言える。絵の前に立つと、やや歪んだ一点透視法の効果がやわらかに重ねられた筆触とゆるやかに響きあって、絵画の中に誘導されるように感じるだろう。画面の手前と奥とでは描かれている時間が異なっているように見え、空には町を包み込むように枝葉が広がっているが、一方で、この町が水の底にあるかのようにも見える…。いくつもの時間を折り重ねたこの作品は、自分の住む町の魅力的な表情をあますところなく伝えるとともに、内部から光を発するような葉と空の表現が月並みな路地を特別な場所へと変容させる。大学では建築を学んだ大岩の、都市や環境、建物や構図といったものへの関心と、柔らかく速い筆さばき、油彩の質感、そして私的な物語…。作家の特徴が見られる東京時代の代表作と言えよう。
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- ホワイトオス(カー) 森
- 作者名
- 大岩 オスカール
- 制作年
- 2000
- 分類
- 絵画
- 材質・技法
- 油彩/カンヴァス
- 寸法
- 227×444cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 2008
- 作品/資料番号
- 2008-00-0026-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/5447/
東京都現代美術館のその他の収蔵品 (8082)

無題
井田 照一
東京都現代美術館

流木と雲
北岡 文雄
東京都現代美術館
![作品画像:[吉田克朗関係資料一括]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/24758.jpg)
[吉田克朗関係資料一括]
吉田 克朗
東京都現代美術館

初夏の風
牧野 虎雄
東京都現代美術館

Personal Landscape: Peyrehorade
磯辺 行久
東京都現代美術館
![作品画像:竹ばし内[『新東京百景』より]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2025/06/18490-1024x739.jpg)
竹ばし内[『新東京百景』より]
恩地 孝四郎
東京都現代美術館

1970年代美術記録写真集 「成田克彦 1970年5月 東京都美術館 『第10回日本国際美術展 Tokyo Biennale ’70 人間と物質』」
安齊 重男
東京都現代美術館

六丸
オノサト トシノブ
東京都現代美術館

波の収穫
潘逸舟
東京都現代美術館
![作品画像:エメラルド [Morakot]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/20774.jpg)
エメラルド [Morakot]
アピチャッポン・ウィーラセタクン
東京都現代美術館

1970年代美術記録写真集 「レベッカ・ホルン 1978年5月25日 草月会館」
安齊 重男
東京都現代美術館

『谷間の百合』
福田 尚代
東京都現代美術館

作品
オノサト トシノブ
東京都現代美術館

Figure B – No.25
榎倉 康二
東京都現代美術館

クラブのA
駒井 哲郎
東京都現代美術館
](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/13149.jpg)
[小清水漸作品写真集 1](43/67)
小清水 漸
東京都現代美術館