
岡崎和郎は1950年代末から現在にいたるまで様々な素材によるオブジェを生み出してきた。絵画とも彫刻ともつかない、既製のジャンルには収まりきれない物たちをオブジェというが、彼の作り出すものは小ぶりなものが多く、例えば電球や人形、コーヒーカップといった日常生活にごく普通に存在している物の形をまとっていることが多い。
本作品は岡崎が20代末に制作したもので、1959年の読売アンデパンダン展に出品されている。小さな裂け目をもつ、ただれたような表面や、引き千切られたような末端は、まるでなめした獣の革のようでもあるが、薄い鉄板に真鍮と銅を溶接してできたというその不思議な風合いや形状は、何とも形容しがたい暖昧さ、明確に定義できない居心地の悪さを見るものにつきつける。こうしただまし絵のような錯視効果、立体彫刻であるのに「平面」という矛盾したタイトルなどは、当時の「反芸術」的傾向とも関連するであろうが、身近なものをわずかに変形、反転させることにより、われわれの日常感覚にメスを入れていく作家のその後の手法を予感させる。(C.M.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 平面彫刻
- 作者名
- 岡崎 和郎
- 制作年
- 1959
- 分類
- 彫刻・インスタレーションほか
- 材質・技法
- 鉄板に着色、真鍮、銅
- 寸法
- 161.5×128cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1998
- 作品/資料番号
- 1998-00-0035-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/4602/
東京都現代美術館のその他の収蔵品 (8084)

綴織壁掛 貌
高木 敏子
東京都現代美術館

「APN」(『アサヒグラフ』1953年9月2日号)のための構成
山口 勝弘/大辻 清司
東京都現代美術館

《M.P.》のためのドローイング
福島 秀子
東京都現代美術館
](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/13199.jpg)
[小清水漸作品写真集 2](26/74)
小清水 漸
東京都現代美術館

室内画48-盆栽と内臓のある室内
片岡純也+岩竹理恵
東京都現代美術館

1970年代美術記録写真集 「グループ361° 1973年7月 井の頭公園」
安齊 重男
東京都現代美術館

触 ”体‐43″
吉田 克朗
東京都現代美術館

梵天シリーズ B
池田 龍雄
東京都現代美術館
![作品画像:愛宕山[『東京風景』より]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2025/09/18128-656x1024.jpg)
愛宕山[『東京風景』より]
織田 一磨
東京都現代美術館

稲妻の習作(小)
デイヴィッド・ホックニー
東京都現代美術館
![作品画像:稲妻捕り(8)[『稲妻捕り』より]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2025/09/18699.jpg)
稲妻捕り(8)[『稲妻捕り』より]
加納 光於
東京都現代美術館

少女
舟越 保武
東京都現代美術館
![作品画像:[apple yard 49]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/20155.jpg)
[apple yard 49]
三木 富雄
東京都現代美術館

積み木
岡本 信治郎
東京都現代美術館

横尾忠則作 暗夜光路(原美術館)
横尾 忠則
東京都現代美術館

Pine Tree No.50
鎌谷 伸一
東京都現代美術館