岡崎和郎は1950年代末から現在にいたるまで様々な素材によるオブジェを生み出してきた。絵画とも彫刻ともつかない、既製のジャンルには収まりきれない物たちをオブジェというが、彼の作り出すものは小ぶりなものが多く、例えば電球や人形、コーヒーカップといった日常生活にごく普通に存在している物の形をまとっていることが多い。
本作品は岡崎が20代末に制作したもので、1959年の読売アンデパンダン展に出品されている。小さな裂け目をもつ、ただれたような表面や、引き千切られたような末端は、まるでなめした獣の革のようでもあるが、薄い鉄板に真鍮と銅を溶接してできたというその不思議な風合いや形状は、何とも形容しがたい暖昧さ、明確に定義できない居心地の悪さを見るものにつきつける。こうしただまし絵のような錯視効果、立体彫刻であるのに「平面」という矛盾したタイトルなどは、当時の「反芸術」的傾向とも関連するであろうが、身近なものをわずかに変形、反転させることにより、われわれの日常感覚にメスを入れていく作家のその後の手法を予感させる。(C.M.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 平面彫刻
- 作者名
- 岡崎 和郎
- 制作年
- 1959
- 分類
- 彫刻・インスタレーションほか
- 材質・技法
- 鉄板に着色、真鍮、銅
- 寸法
- 161.5×128cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1998
- 作品/資料番号
- 1998-00-0035-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
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