村上三郎は、1925年6月に神戸市に生まれた。関西学院大学予科に入学した18歳のころより絵画部に所属し、油絵を描き始める。戦後は、1949年から新制作協会展に出品を始め、また翌50年には小学校で美術の教師をつとめている。1952年には、新制作協会のなかの前衛的な作風のグループ〈0会〉の結成に、白髪一雄、田中敦子、金山明らとともに参加した。そして、翌53年6月、白髪一雄との二人展のおりに、初めて吉原治良に出会うことになる。その後、1955年に白髪らとともに吉原の主催する具体美術協会に参加し、主要メンバーの一人として1970年代まで活動を続けた。初期具体の様々な実験的な試みのなかでも、村上のパフォーマンスやインスタレーションは、有名な「紙破り」による作品を始めとして、シンプルななかにも明快な概念性がうかがわれるのが特徴である。ある意味でこの特性は、50年代から60年代にかけての絵画においても持続していると言えるだろう。高い緊張感と瞬間的な現前性を特徴とする画面においては、身体性と精神性の結合が優れた絵画実践として成立している様を見ることができる。村上の絵画は、常に絵画の枠を超えていこうとするモーメントをはらんでいた。この傾向は、絵画に対する作家のアンビヴァレントな思いを想像させ、きわめて興味深く思われる。(Y.M.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 作品
- 作者名
- 村上 三郎
- 制作年
- 1957
- 分類
- 絵画
- 材質・技法
- ミクストメディア/板
- 寸法
- 91.6×91.2cm
- 受入区分
- 寄贈
- 受入年度
- 1998
- 作品/資料番号
- 1998-00-0005-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/4572/
東京都現代美術館のその他の収蔵品 (8082)
風景 7
小野木 学
東京都現代美術館
林の目[『林の目』より]
瑛九
東京都現代美術館
Tangram-Painting (Building (昼))
末永 史尚
東京都現代美術館
作品
吉原 治良
東京都現代美術館
『美しい町の残酷な死』
福田 尚代
東京都現代美術館
<陸上の出来事>シリーズ ダメージコントロール演習、軽巡洋艦ナッシュビル、セネガル、ダカール
アン・ミー・レー
東京都現代美術館
[CAMEL]
三木 富雄
東京都現代美術館
くるみ
浜口 陽三
東京都現代美術館
Work “94‐A”
吉田 克朗
東京都現代美術館
[吉田克朗関係資料一括]
吉田 克朗
東京都現代美術館
黒い梟
駒井 哲郎
東京都現代美術館
野ばらの園(下絵)
木和村 創爾郎
東京都現代美術館
UNIVERSAL LOVE
前田 征紀
東京都現代美術館
トルソ
植木 茂
東京都現代美術館
Seed Project ダイコンソウ・Geum japonicum Thunb. 1998年9月18日 Bois de Boulogne Paris, France
太田 三郎
東京都現代美術館
現実の花 生きている花
ナムジュン・パイク
東京都現代美術館