
互いに寄り添いあい、地面から垂直に伸びるかのような10個の黒い箱型の物体。その内側にはコショウ、ジャスミン、緑茶、ショウガ、クミンなどの多様なハーブが塗り込められている。タイトルが示すとおり、この作品は人が呼吸するための場となり、器となっている。鑑賞者は箱の中に歩み入り、それぞれの香りを静寂の中で体験するよう誘われる。箱に穿たれた星座を象った穴は、天と地の間の気の循環を暗示している。タイの現代美術家モンティエンは、土、灰、蝋といった自文化の伝統に根ざした自然素材を用い、仏教的な世界観を象徴的に表現して、90年代初めから国際的に注目されてきた。この作品は95年以降から作家が手掛けている、人の身体を包み込む環境作品の典型である。ここでは、ハーブという素材が呼吸を通して鑑賞者の身体に直接働きかけるのみならず、例えば寺院や森のような場所とそこに満ちる空気がもつ、心の平静さをもたらす力、癒しの作用が抽象化された形で実現されている。(T.I.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 呼吸の家
- 作者名
- モンティエン・ブンマー
- 制作年
- 1996-97
- 分類
- 彫刻・インスタレーションほか
- 材質・技法
- 鋼、合板、ハーブ
- 寸法
- H.221cm、Dia.430cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1997
- 作品/資料番号
- 1997-00-0021-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/4513/
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