
西洋近代の彫刻概念への懐疑から出発した中ハシは、植木、鯉、和傘、力士(小錦)といった「日本的なもの」の典型をモチーフとして取り上げた立体作品を制作してきた。「板塀越しに見る松」を表すこの作品は、日本文化の型としての風景であり、タイトルからも明らかなように「お富の松」として知られる、歌舞伎『与話情浮名横櫛』(よわなさけうきなのよこぐし)の名場面を想起させる。しかし作家の関心は、こうした日本的な典型、文化的なアイデンティティを記号的に取り扱うことによって、社会が共有する意識や記憶に働きかけ、「自然」と見なされるものに隠れた人為性、文化的な歪みやズレを提起することにある。銅線の松葉、鉄による枝や板塀のもつ乾いた印象は、日本文化に言及しつつも、そこにまつわる情緒性を巧みに排除し、ありふれたものを異物として提示する作用をもっている。
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- OTOMI
- 作者名
- 中ハシ 克シゲ
- 制作年
- 1990
- 分類
- 彫刻・インスタレーションほか
- 材質・技法
- 鉄、銅線、アルミニウム
- 寸法
- 225×360×150cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1996
- 作品/資料番号
- 1996-00-0044-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/4337/
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