丁度、目線のところに置かれた大理石の花はガラスのケースに覆われ、まるでしゃれた装身具店で宝石か装身具がディスプレーされているかのように見える。白く清潔なタイルの上に置かれた石の花は、何か華麗なもの、あるいはむかしからよく例えられてきたように女性と見なすことができる。しかし何故この花はガラスケースの中にしまわれなければならないのだろう、貴重品だからか。1994年の《Untitled-(in)different》で笠原は人間の胎児の段階で性器が女性と男性に分かれてゆくようすを子細に観察したものをそのまま美しい大理石の作品としている。未分化であった形態が時間をへるにつれて男性器と女性器にわかれていくさまをそれぞれ4個の形態で示したこの作品は対象にたいする厳密な観察と理解をかんじさせる。女性という自らの立場にこだわりながら作品を制作している笠原の作品は一見、優雅で美しいのだが、それを支えているのは彼女の鋭い思考と感性なのである。
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- Untitled -石の花-
- 作者名
- 笠原 恵実子
- 制作年
- 1991
- 分類
- 彫刻・インスタレーションほか
- 材質・技法
- タイル、大理石、ガラス、アルミニウム、セメント
- 寸法
- 4点組:各155×63×63.3cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1995
- 作品/資料番号
- 1995-00-0004-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/4251/
東京都現代美術館のその他の収蔵品 (8082)
[1944.10.30]
末松 正樹
東京都現代美術館
[斎藤義重作品写真集:ファイル 1] 15/127
斎藤 義重
東京都現代美術館
ONAN
飯村 隆彦
東京都現代美術館
[斎藤義重作品写真集:ファイル 6] 8/41
斎藤 義重
東京都現代美術館
ピクニック(2)[『ピクニック』より]
渡辺 豊重
東京都現代美術館
[海軍青年士官]
寺内 萬治郎
東京都現代美術館
鵜の森
中澤 弘光
東京都現代美術館
東横堀川[『大阪風景』より]
織田 一磨
東京都現代美術館
8つの作品(5)[『高橋秀版画集』より]
高橋 秀
東京都現代美術館
「死と転生・及びその他の詩」フロントピース
駒井 哲郎
東京都現代美術館
SIM (d)
一原 有徳
東京都現代美術館
「TOKYO SUBURBIA 東京郊外」新浦安、千葉県
ホンマ タカシ
東京都現代美術館
アンソニー・カロ《ミッドナイト・ギャップ》(部分)1976-78
安齊 重男
東京都現代美術館
梵天シリーズ B
池田 龍雄
東京都現代美術館
日比谷公園菊花大会[『新東京百景』より]
川上 澄生
東京都現代美術館
流雲 Ⅱ
中野 嘉之
東京都現代美術館