
遠藤利克は円環を中心とする簡潔な形態の彫刻を手がけてきた作家で、主に木を素材として用い、燃やして表面を炭化させる独特な作風をもっている。彼の作品は力強い存在感をもちながら静謐さと神秘性を湛えている。長い円筒形のこの作品は「泉」と名付けられた。この作品以前に桶型のものに水を満たした作品、その後に短い円筒形で同じ「泉」というタイトルの作品を制作している。水を満たす器の底を抜いたとき、満ちて静止していた水は動き出し、こんこんと湧き出る泉となった。遠藤は空洞性、欠落について語るが、欠落を知るからこそ、その作品には存在感があるのだ。欠落は動きと流れを引き出す吸引力となる。「泉」の中心を貫く空洞こそが、目には見えぬエネルギーを秘めている。それはこの中心に磁線の流れを想定してみればよい。その周囲には強い磁場が出現する。この泉は流れ出すだけでなく、地中の豊かな流れを秘めた水脈そのものである。(Y.W.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 泉
- 作者名
- 遠藤 利克
- 制作年
- 1991
- 分類
- 彫刻・インスタレーションほか
- 材質・技法
- 木、タール、(火)
- 寸法
- 95×95×1926cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1993
- 作品/資料番号
- 1993-00-0008-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/4032/
東京都現代美術館のその他の収蔵品 (8080)
![作品画像:夜のえちうど[『午前の歌』より]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/19474.jpg)
夜のえちうど[『午前の歌』より]
菅野 陽
東京都現代美術館

転位 ’02-地-Ⅱ
中林 忠良
東京都現代美術館

黒衣の像
高光 一也
東京都現代美術館

黄土地帯(B)
浜田 知明
東京都現代美術館
![作品画像:[フォト・コラージュ B]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/18429-754x1024.jpg)
[フォト・コラージュ B]
瑛九
東京都現代美術館

夕(ゆうべ)
三谷 十糸子
東京都現代美術館

松澤宥記録写真集 1970 東京都美術館2/10
松澤 宥
東京都現代美術館

茶色い直線爆
岡本 信治郎
東京都現代美術館

列子御風
吉川 霊華
東京都現代美術館

出征
宮本 三郎
東京都現代美術館

花
山本 豊市
東京都現代美術館

silver dust
冨井 大裕
東京都現代美術館

松澤宥記録写真集
松澤 宥
東京都現代美術館

JEU D’OBJET 1 大扉
加藤 太郎
東京都現代美術館
![作品画像:ロンドン塔[『わたくしのヨーロッパの印象記』より]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/17605.jpg)
ロンドン塔[『わたくしのヨーロッパの印象記』より]
浜田 知明
東京都現代美術館

Honey-pop
吉岡 徳仁
東京都現代美術館