2枚の灰白色のカンヴァスが接合され、その一方には色鮮やかな文字が並んでいる。それは、次のように読める。「与えられたものは、訓練を通じて言語を記述する!(中略)他方、与えられたもの(中略)を記述するために言語が用いられるとき、意味のメカニズム(プロセス)が生じるように思われる。(中略)外形は意味を表すために、色彩は無意味の質を語るために用いられる。同様の対は、どのような居間にも見出されるかもしれない」。難解なテキストは、言語と意味作用のプロセスに対する懐疑を表明しているようである。荒川修作は、1950年代末に発表した呪術的なコンクリートのオブジェが注目を集めた後、1961年にニューヨークに渡った。渡米後は作風も一変し、独自の哲学的な思索を画像、オブジェ、図表、言葉、文字を組み合わせて表現した絵画によって国際的にも高い評価を受けている。テーマは、事物とその映像、および両者の認識を手掛かりに、言語と意味論の領域を経て、最近では知覚と経験のモデル化へと展開しており、現代哲学・科学の問題とも通底するものと言えよう。なお本作は、妻の詩人マドリン・H・ギンズとの共著『意味のメカニズム』の挿図ともなっている。(Y.M.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 与えられたもの No.2
- 作者名
- 荒川 修作
- 制作年
- 1972
- 分類
- 絵画
- 材質・技法
- 油彩、アクリル/カンヴァス
- 寸法
- 167.5×508cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1993
- 作品/資料番号
- 1993-00-0001-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/4011/