スミッソンは湖に土砂で巨大な螺旋系の突堤を築いた《螺旋系の突堤》(1970)が最もよく知られているランド・アートの作家であるが、大規模な野外作品へと至る前に戸外(知覚)と室内(抽象)を関連付ける「サイト/ノンサイト」という概念的なプロジェクトを展開している。本作品を含むカユーガ岩塩坑プロジェクトはその中でも非常に大きなコンセプトをもち、また入念に実践されたものであった。「ミラー・デプレースメント(鏡による転移)」の発端的作品でもあり、人工物としての鏡、あるいはそれによって形作られる人工的な矩形と自然が生んだ鉱物や地質の不規則な形態とを対比し、関連付けようとしている。鏡を用いた作品でも、特にコーナー・ピースでは鏡の相乗効果によって三方向に空間が広がり、大きな効果をもたらしている。この「サイト/ノンサイト」という概念によって、戸外と屋内の関係を強く自覚していたスミッソンは、単に野外プロジェクトの解説に陥らない室内作品(ノンサイト)を作り上げ、ミニマル・アートを批判的に継承する彫刻の文脈においても極めて重要な存在として認識されているのである。(Y.W.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- コーナー・ピース(カユーガ岩塩坑プロジェクト)
- 作者名
- ロバート・スミッソン
- 制作年
- 1969
- 分類
- 彫刻・インスタレーションほか
- 材質・技法
- 鏡、岩塩
- 寸法
- 121.9×121.9×121.9cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1992
- 作品/資料番号
- 1992-00-0053-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/3977/