
リヒターは30年以上におよぶ活発な制作活動において、白黒写真をイメージさせる人物画、淡い色彩の風景画、表現主義的な抽象画など、作風を様々に変転させつつ卓越した筆さばきで一貫して平面絵画芸術の本質を追求してきた。 ひとつの作品をもって彼の芸術を語ることは不可能だが、《エリザベート》はその出発点となった1960年代の貴重な1枚である。この時期のリヒターは、ポートレート写真のイメージを作品に取り入れつつ、中心の人物よりも背景を鮮明にしたり、静止している物体をぼかしたり、様々なトリックを駆使して写真とは異質な幻想的、逆説的な世界を描き出した。通俗雑誌の1ページの一部を切り取って拡大したようなこの作品は、等身大以上の水着の女性と大きな文字によって、写真や雑誌とはかけはなれた迫力ある画面となっている。rn画中の写真キャプション:「水浴びで熱い血も冷める。ウィーンのエリザベートはキャンプ場の恋のロマンに燃えていた(Ein Sitzbad kühlt auch heißes Blut. Elisabeth aus Wien liebte die Romantik des Campingplatzes)」。(M.S.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- エリザベート
- 作者名
- ゲルハルト・リヒター
- 制作年
- 1965
- 分類
- 絵画
- 材質・技法
- 油彩/カンヴァス
- 寸法
- 198×145cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1992
- 作品/資料番号
- 1992-00-0044-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/3969/
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