頭上を流れる星に導かれて、東方の三人の王は幼子イエスの誕生を祝福する旅へと向かう。よく知られた聖書の主題が、ここでは強い輪郭線と明快な色彩によって表されている。描きながらの変化を好まぬ作家にとって、描くべきものはあらかじめ決められ、均質な線で分割された面にはアクリル絵具による濁りのない色が順に置かれていく。平面的で単純なフォルムによって描きだされた人物はあたかも影法師のように連なっている。作家は本作品を含む《聖風景》と題された一連のシリーズを、人間存在の意味を根源的なところから問いなおすささやかな実験、と位置づけている。それは作家の抱く、自身をも含めた人間に対する強烈な不信感に裏付けられている。社会と人間との有機的な連帯意識が喪失してしまった現代では、もはや中世の宗教画にあるような天と地との対話から永遠を志向する精神の共同体を夢見ることはできず、それゆえにいかにも共同体があるように描いたとする本作品の三人の王からは、まばゆいほどの主題にもかかわらず陽気な欠如感が漂っている。
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 東方三賢王の礼拝(聖風景シリーズ)
- 作者名
- 岡本 信治郎
- 制作年
- 1964
- 分類
- 絵画
- 材質・技法
- アクリル/カンヴァス
- 寸法
- 111.5×161.3cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1989
- 作品/資料番号
- 1989-00-0051-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/3267/
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