
伊藤公象が土という自然の素材に無限の可能性を見出したのは1970年代に入ってからである。その制作方法は細かな粒子の集まりという素材の特質をよく活かしたもので、それはこの《44,染体》に端的に見ることができる。まず粘土をこねてから直方体に形を整える。それをチーズ切りでチーズを切るようにスライスして重ね、手を使って気の向くままに形を作り、焼成する。したがってどの個体も制作過程は同じであるが、結果的にはひとつとして同一のものはない。さらに、それらを床に並べて展示する際にも千差万別の組み合わせが考えられる。温度、水、圧力といった外的条件によって刻々と変わる土の表情が加熱されて固定化され、表情の違う個体の組み合わせからなるひとつの作品は二度と同じ姿で展示されることはない。伊藤は変化自在な土の粘性という特質を最大限に活かしつつ、陶芸の材料として古くから親しまれてきたこの普遍的な素材に新たな可能性を見出したのである。(M.S.)rn
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 44の染体
- 作者名
- 伊藤 公象
- 制作年
- 1976
- 分類
- 彫刻・インスタレーションほか
- 材質・技法
- 陶芸
- 寸法
- 154点組:各Dia. 25cm *インスタレーションサイズ可変
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1978
- 作品/資料番号
- 1975-00-5008-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/1476/
東京都現代美術館のその他の収蔵品 (8080)
![作品画像:浅草公園カジノ・フォーリー[『新東京百景』より]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/18713.jpg)
浅草公園カジノ・フォーリー[『新東京百景』より]
川上 澄生
東京都現代美術館
![作品画像:[吉田克朗関係資料一括]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/24727.jpg)
[吉田克朗関係資料一括]
吉田 克朗
東京都現代美術館

月夜
浜田 知明
東京都現代美術館
![作品画像:シグナル B[『サーカス』より]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/18467-772x1024.jpg)
シグナル B[『サーカス』より]
瑛九
東京都現代美術館

1970年代美術記録写真集 「島州一 1971年5月11日 東京都美術館」
安齊 重男
東京都現代美術館

力と思いやりの領分(マインドマップ)#7
オラファー・エリアソン
東京都現代美術館

松澤宥記録写真集 1977 サンパウロビエンナーレ2/?
松澤 宥
東京都現代美術館

版画集『ART D’AUJOURD’HUI MAITRES DE L’ART ABSTRAIT – ALBUM 1』 星座
ジャン・アルプ
東京都現代美術館

睡眠
木村 荘八
東京都現代美術館
![作品画像:Conséquence 1[『Conséquence』より]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/18719.jpg)
Conséquence 1[『Conséquence』より]
木原 康行
東京都現代美術館

青桐
浜田 知明
東京都現代美術館
](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/13269.jpg)
[小清水漸作品写真集 3](22/30)
小清水 漸
東京都現代美術館

樹(『鵜原抄』フロントピース)
駒井 哲郎
東京都現代美術館
![作品画像:「APN」(『アサヒグラフ』1953年11月18日号)のための構成[『APN』より]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/20830.jpg)
「APN」(『アサヒグラフ』1953年11月18日号)のための構成[『APN』より]
北代 省三/大辻 清司
東京都現代美術館
![作品画像:浅草六区[『新東京百景』より]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/19502-765x1024.jpg)
浅草六区[『新東京百景』より]
諏訪 兼紀
東京都現代美術館

1970年代美術記録写真集 「島州一 1977年1月16日 戸塚」
安齊 重男
東京都現代美術館