
人間の「耳」が、人の背丈ほどもある大きなオブジェに変身し、鈍く不気味に輝いている。「耳」を彫刻にするという奇抜な発想に我々は衝撃を受け、その突然の出現に驚かされる。そして、なぜ「耳」なのかという思いにとりつかれる。だが、こちらの驚きや疑問をこの「耳」は、冷たく無視する。「これは耳である」というあまりの単純明快さゆえに、それがどういう意味を持つのかは作者にさえ説明がつかない。「友人の家で突然何メートルにも耳を拡大させるという、ふってわいたような思いにとりつかれた時、そのあまりにも『ばかばかしい』想像に興奮してしまった」という作者は、20歳代の半ばから「耳」をモティーフとした作品をつくり始め、決して長くはないその一生を「耳」の制作に捧げた。あるいは「耳が私を選んだ」という三木の言葉に従えば、作家は「耳」に魅入られ、その呪縛から逃れることができないままに、「耳」の制作に生命を燃やし尽くした。アルミ合金製のこの「耳」は、身体の一部というよりも、人の心の謎そのものであるようだ。(Y.S.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- EAR
- 作者名
- 三木 富雄
- 制作年
- 1965
- 分類
- 彫刻・インスタレーションほか
- 材質・技法
- アルミ合金
- 寸法
- H.170cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1979
- 作品/資料番号
- 1975-00-4150-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/1396/
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