
人間の「耳」が、人の背丈ほどもある大きなオブジェに変身し、鈍く不気味に輝いている。「耳」を彫刻にするという奇抜な発想に我々は衝撃を受け、その突然の出現に驚かされる。そして、なぜ「耳」なのかという思いにとりつかれる。だが、こちらの驚きや疑問をこの「耳」は、冷たく無視する。「これは耳である」というあまりの単純明快さゆえに、それがどういう意味を持つのかは作者にさえ説明がつかない。「友人の家で突然何メートルにも耳を拡大させるという、ふってわいたような思いにとりつかれた時、そのあまりにも『ばかばかしい』想像に興奮してしまった」という作者は、20歳代の半ばから「耳」をモティーフとした作品をつくり始め、決して長くはないその一生を「耳」の制作に捧げた。あるいは「耳が私を選んだ」という三木の言葉に従えば、作家は「耳」に魅入られ、その呪縛から逃れることができないままに、「耳」の制作に生命を燃やし尽くした。アルミ合金製のこの「耳」は、身体の一部というよりも、人の心の謎そのものであるようだ。(Y.S.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- EAR
- 作者名
- 三木 富雄
- 制作年
- 1965
- 分類
- 彫刻・インスタレーションほか
- 材質・技法
- アルミ合金
- 寸法
- H.170cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1979
- 作品/資料番号
- 1975-00-4150-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/1396/
東京都現代美術館のその他の収蔵品 (8082)

墨客漫歩
斎藤 素巌
東京都現代美術館

RON (Y)
一原 有徳
東京都現代美術館
](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/13303.jpg)
[小清水漸作品写真集 4](24/28)
小清水 漸
東京都現代美術館

転位 ’83-地-Ⅸ
中林 忠良
東京都現代美術館

ナポレオン
泉 太郎
東京都現代美術館

二本の木
石井 茂雄
東京都現代美術館

笑っちまったゴッホ
岡本 信治郎
東京都現代美術館

銅版画プレス機
東京都現代美術館

1970年代美術記録写真集 「鹿沼良輔 1980年8月12日 神奈川県民ホールギャラリー」
安齊 重男
東京都現代美術館

穂高上高地
伊藤 清永
東京都現代美術館

線のアンソロジーⅠ
靉嘔
東京都現代美術館

線のアンソロジーⅠ
靉嘔
東京都現代美術館

刻みより
李 禹煥
東京都現代美術館
![作品画像:[吉田克朗関係資料一括]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2023/11/24756.jpg)
[吉田克朗関係資料一括]
吉田 克朗
東京都現代美術館

いらいら(B)
浜田 知明
東京都現代美術館

二つの球
駒井 哲郎
東京都現代美術館