
急激な工業化に伴い、アルミニウムやガラスといった工業素材を用いた彫刻が数多く制作された1970年代にあって、澄川喜一は一貫して木にこだわり続けた作家であった。「そりのあるかたち」は彼が長年にわたって取り組んできたテーマであり、概して、反りのあるかたちを中心に数個の木材を組み合わせ、微妙なバランスを保った幾何学的な構図のフォルムを有している。その造形美や、あたかも木材が空中に浮遊しているかのような軽量感は、1960年代初頭にデイヴィッド・スミスやアンソニー・カロが実践した抽象彫刻にも通じるものである。だが、カロがブロンズから鉄材に素材を変えることによって具象から抽象への転換を図ったのに対し、澄川は木という日本の伝統的な彫刻素材を用いつつ、木の本来の姿を生かす造形を志向し、抽象的なフォルムを選択した点が興味深い。それは、彼が青春時代を送った岩国で培った、木に対する深い愛着に拠るものであろう。(K.H.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- そりのあるかたち – 1
- 作者名
- 澄川 喜一
- 制作年
- 1978
- 分類
- 彫刻・インスタレーションほか
- 材質・技法
- 欅
- 寸法
- 135×260×45cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1978
- 作品/資料番号
- 1975-00-4080-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/1323/
東京都現代美術館のその他の収蔵品 (7877)

駅頭の夕暮
平松 譲
東京都現代美術館

[模型]
アンソニー・カロ
東京都現代美術館

清風
進藤 武松
東京都現代美術館

瀕死のケンタウロス
エミール=アントワーヌ・ブールデル
東京都現代美術館

zone
尾長 良範
東京都現代美術館

JEU D’OBJET 2 扉
加藤 太郎
東京都現代美術館

人の居る場所
村井 正誠
東京都現代美術館

[「第10回日本国際美術展 人間と物質」(1970年)記録写真] [エドワルド・グラジンスキ 展示風景 作品到着前]
大辻 清司
東京都現代美術館
![作品画像:[靉嘔展記録写真] 14](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/7237.jpg)
[靉嘔展記録写真] 14
安齊 重男
東京都現代美術館

Hommage au Douanier Rousseau, Paris Tour Eiffel
靉嘔
東京都現代美術館
![作品画像:[斎藤義重作品写真集:ファイル 7] 11/42](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/11903.jpg)
[斎藤義重作品写真集:ファイル 7] 11/42
斎藤 義重
東京都現代美術館

大正12年9月1日(下図)
鹿子木 孟郎
東京都現代美術館
![作品画像:新淀川付近[『大阪風景』より]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/18145-1024x682.jpg)
新淀川付近[『大阪風景』より]
織田 一磨
東京都現代美術館

ばら
三谷 青子
東京都現代美術館
](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/13292.jpg)
[小清水漸作品写真集 4](14/28)
小清水 漸
東京都現代美術館

Sunday
井田 照一
東京都現代美術館