
菊畑茂久馬が前衛美術の集団、九州派の一員として活動していた頃の作品。作者にとっても、また日本の現代美術にとってもその表現の特異さにおいて1960年前後の反芸術的傾向を代表する1点となっている。陰陽のシンボルを持つ2本の丸太が御神体のように置かれ、その片方には5円硬貨が竜のウロコのようにびっしりと打ちつけられている。スポットライトに照らされると2本の丸太は黄金のように輝き、ろうそくが儀式的な雰囲気を盛り上げる。この作品はもともと1961年に国立近代美術館の「現代美術の実験展」に出品されたものである。展覧会終了後、作者が5円玉を数え直してみると元の10万円分以上あり、10円玉の「お寒銭」も混じっていたという。古くからの日本人の習俗をあえて現代美術のモティーフとし、東京で展示するための作品として生まれた≪奴隷系図≫は、オリンピックに向け高度成長の道を走り始めた日本が忘れようとする反近代的世界への鎮魂歌と考えられる。なお、現在の作品は東京都美術館での「1960年代展」出品のために再制作されたもの。
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 奴隷系図(貨幣による)
- 作者名
- 菊畑 茂久馬
- 制作年
- 1961/1983
- 分類
- 彫刻・インスタレーションほか
- 材質・技法
- 布、5円硬貨、蝋燭、木ほか
- 寸法
- 120×198×630cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1983
- 作品/資料番号
- 1975-00-4035-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/1271/
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