
赤瀬川原平が、中西夏之、高松次郎とともに1963年に結成したグループ〈ハイレッド・センター〉の一員として活動していた頃の作品。当時、赤瀬川は、普通の絵画や彫刻に飽き足らず、「梱包」という方法による作品制作を試みていた。その始まりは、1963年3月の第15回読売アンデパンダン展に遡る。赤瀬川は、この展覧会にカンヴァスを紙と紐で梱包したオブジェ並びに千円札の拡大模写を出品している。この中で、普通の絵画とは程遠い模型千円札は、紙幣の綿密な模写というナンセンスで危険な行為に熱中する作者の愚かしくも純粋な情熱から生まれたものであった。画面(あるいは表面)を無意味なもので覆いつくそうとする作業は、平面から立体の世界へと広がり、赤瀬川の梱包は、やがて椅子、鞄、鋏など家具や道具へと及ぶ。そして作者は首振り扇風機を梱包することにより、ついに目に見えない「風」さえ梱包し、作品化してしまう。この作品を発表した1963年7月のグループ展「不在の部屋」(内科画廊)にはラジオを梱包した作品も並び、梱包の中から放送が聞こえたという。赤瀬川の「梱包」作品には、機知とユーモアが包まれている。(Y.S.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- 風
- 作者名
- 赤瀬川 原平
- 制作年
- 1963(1985再制作)
- 分類
- 彫刻・インスタレーションほか
- 材質・技法
- 紙、紐、扇風機
- 寸法
- 67×35×28cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1985
- 作品/資料番号
- 1975-00-4001-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/1237/
東京都現代美術館のその他の収蔵品 (8084)

エクリチュール「描出」No.105-79-82-83
朴 栖甫
東京都現代美術館
![作品画像:[斎藤義重作品写真集:ファイル 1] 61/127](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/11641.jpg)
[斎藤義重作品写真集:ファイル 1] 61/127
斎藤 義重
東京都現代美術館

コック
中原 實
東京都現代美術館
![作品画像:農家の門[裏:軍鶏を把む男]](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2025/09/17988.jpg)
農家の門[裏:軍鶏を把む男]
池部 鈞
東京都現代美術館

1970年代美術記録写真集 「吉田克朗 1970年7月 シロタ画廊」
安齊 重男
東京都現代美術館
![作品画像:[斎藤義重作品写真集:ファイル 1] 112/127](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/11692.jpg)
[斎藤義重作品写真集:ファイル 1] 112/127
斎藤 義重
東京都現代美術館

怪獣と蛙
馬場 梼男
東京都現代美術館

オレンジの花咲く島
木和村 創爾郎
東京都現代美術館

メキシコの男
福沢 一郎
東京都現代美術館

海辺の人
多々羅 義雄
東京都現代美術館
![作品画像:[斎藤義重作品写真集:ファイル 8] 3/30](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/11937.jpg)
[斎藤義重作品写真集:ファイル 8] 3/30
斎藤 義重
東京都現代美術館

ジャンパー・ジョーンズ
寺田 真由美
東京都現代美術館

未完の横尾忠則 (金沢21世紀美術館)
横尾 忠則
東京都現代美術館

黒いチューリップ
デイヴィッド・ホックニー
東京都現代美術館

大正12年9月1日(下図)
鹿子木 孟郎
東京都現代美術館
![作品画像:[斎藤義重作品写真集:ファイル 7] 34/42](https://museumcollection.tokyo/wp-content/uploads/2022/08/11926.jpg)
[斎藤義重作品写真集:ファイル 7] 34/42
斎藤 義重
東京都現代美術館