
1970年代の韓国の現代美術は〈ミニマル・アート〉を思わせる一群のモノクロームの平面作品によって注目を集めたが、朴はこの傾向を代表する作家である。抑制された単色の絵具層の上に、一見乱雑だが規則的なスクラッチの線が重なり合って画面を覆い尽くしている。この作品に代表される朴の《描法》シリーズは、禁欲的で平面的でありながら、〈ミニマル・アート〉的な無表情な外見よりも、無数の線を刻む画家の行為を浮かび上がらせている。実際作家は、かつて修養のために蘭などを水墨で描いていた高潔な文人の営為に自分の制作をたとえ、描くという行為を反復することによって自己を高め、やがて「空」の境地に解脱して自然と同化するのだと述べている。規則的に反復された繊細な線刻からは、激しい身振りや野放図な表出性ではなく、東洋画の理念でいう「気韻生動」を想起させるような、自然のリズムに従って呼吸する落ち着いた息づかいがきこえてくる。(K.M.)
- 所蔵館
- 東京都現代美術館
- 作品/資料名
- エクリチュール「描出」No.105-79-82-83
- 作者名
- 朴 栖甫
- 制作年
- 1979-83
- 分類
- 絵画
- 材質・技法
- 油彩/布
- 寸法
- 193.8×258.5cm
- 受入区分
- 購入
- 受入年度
- 1983
- 作品/資料番号
- 1975-00-0581-000
- 東京都現代美術館コレクション検索
- https://mot-collection-search.jp/shiryo/611/
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